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ノエラ・モランタン
Noella Morantin ノエラ・モランタン
トゥールの東、ロワール川の支流にあたるシェール川を左岸に沿って 60 km ほど進むと、陶器で有名な町サンタニアンが見えてくる。そのサンタニアンのちょうど手前の小さな村マレイユから隣村プイエにかけて、トゥーレーヌワインの老舗クロロッシュ・ブランシュの敷地が小高い丘を背に慎ましく広がる。ノエラ・モランタンの畑、および醸造所は、このクロロッシュ・ブランシュの敷地内にあり、まわりは深く木々に囲まれ、クロロッシュ以外に隣接する畑は一切ない静寂とした環境の中にある。この地域の気候は、夏冬の寒暖の差が激し い大陸性の気候とシェール川がもたらす複雑なミクロクリマが互いに影響し合う。
現オーナーであるノエラ・モランタンがドメーヌを立ち上げたのは 2008 年。学生時代にナントの職業技術短大(DUT)でマーケティングを学んだ彼女は、卒業後マーケティング関係の会社に入社。当時は、毎日デスクワークに明け暮れるようなワインとは全く無関係の仕事に従事していた。2000年、齢30に差し掛かっていた彼女は、「自分の本当の仕事はデスクワークではない!何かダイナミックなことがしたい!」と、以前から気になっていたワインづくりに興味を抱く。
2001年、30歳を機に会社を辞めて、すぐにミュスカデにあるワインの学校で醸造と栽培を学び始める。また、学校に通いながら、同時にアニエス・エ・ルネ・モスのドメーヌで 2年間実地研修をこなす。(この時に、自然派ワインの洗礼を受ける。)学校を卒業後、2003 年の秋にはフィリップ・パカレのところで収穫、その後マルク・ペノーのところで翌年の4月まで醸造と剪定を手伝う。そして、2004年5月、ドメーヌ・ボワルカの醸造栽培責任者として働き始める。
4年間ボワルキャで働いた後、2008年5月晴れてドメーヌ・ノエラ・モランタンを立ち上げ現在に至る。
現在、ノエラ・モランタンは 8.5haの畑を2人で管理している。彼女の所有するブドウ品種は、ソービニヨンブラン、シャルドネ、ガメイ、カベルネソービニヨン、コーで、樹齢は若いもので10〜20年。平均樹齢が40年で、古樹のコーは樹齢が60年に達する。彼女がワイン造りで最も大切にしていることは「フィーリング」。
栽培・醸造の基礎はもちろん押さえつつ、そこからさらに幅を広げて、教科書にとらわれない自由な発想と感性を生かしたワイン造りを心がける。ブドウの栽培に一部ビオディナミを取り入れたり、畑が疲れていると感じた時は fleur de Bach というホメオパシーのひとつを散布するなど、常に現場に出てブドウの状態を観察しながらその場に適した対処を施し、また、醸造はマセラシオンの方法、期間、醗酵、スーティラージュ、熟成方法等、全てテイスティングを通して臨機応変に対応していく。常に出来上がるワインを想像し、そのイメー ジに沿って柔軟に対応し、彼女独自の個性をワインに反映する。ドメーヌの立ち上げ 2 年目で、すでに彼女のワインはパリのカーヴ・オジェをはじめ、フランス、ベルギーの多くのカーヴィストから独自のスタイルがあると高い評価を得ている。(輸入元資料より)
2016 年にローラン・サイヤールが完全に独立することになり、ノエラは新たな責任者のフィリップと共にで更に美味しいワインを造っていこうと意気込んでいる!今回フィリップに会うことができたが、ローラン同様に仕事に対して真面目でとても好感が持てた。
ワインのテイスティング後の夕飯時にアペリティフで出されたピショー2014 年とシェ・シャルル 2014年が激ウマだった!まだ2つとも瓶詰め前の段階だったが、花や柑橘の香りが華やかで飲み口も良く、ワインそのものに勢いとエネルギーを感じた。2014 年の白は数が少ないが、その分品質は期待できそうだ!そして今回、何よりも感動だったのは、マリー・ローズと焼きパプリカのマリネの組み合わせ!単体で食べると普通なのだが、マリー・ローズを口に含むとパプリカの旨味が引き出され、思わず唸ってしまった!メインで出されたアンドゥイエットのソーセージとモン・シェールとの相性も抜群!モン・シェールがアンドゥイエットの臭みを消し、旨味だけを引き出してくれる!つくる料理もワインも実にシンプルだが、全てにセンスが光る!まさに、ワインと料理のベストマリアージュを堪能した最高の日だった!
(2015.12.18.のドメーヌ突撃訪問より)
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