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デナーヴォロ
Dinavolo デナーヴォロ
エミリア・ロマーニャの造り手ラ・ストッパが造る赤ワインの醸造法で仕立てた非常に飲み心地のよい美しい白ワインです。そのラ・ストッパで永らく栽培・醸造を手掛けオーナー、エレナと共にその品質の向上に努めてきたジューリオ・アルマーニ氏。
比較的大きなカンティーナであるラ・ストッパで全権を任され、自然なワイン造りを追及してきたジューリオですが、リスクを背負ってひとつのアイテムをまるまる捨ててしまわなければならないような危険など犯すことは当然ながら許されません。どんなに信頼され、100%自分の思い通りにワインを造らせてもらえるとしても、「商品」として売れるものを仕立てなければならないことへの葛藤から、自身で想いのままワインを仕込むことに挑戦しました。我々から見るとラ・ストッパでも十分に攻めたワイン造りをしているように思いますが(笑)、2005年に彼自身のカンティーナを興しました。
カンティーナの名は「Dinavoloディナーヴォロ」。ジューリオが気に入った畑のある町がDenavoloデナーヴォロといい、テーブルワインには地名を記載することが禁止されているためにひと文字変えて遊んだものと思われますが、この言葉…。イタリア語をかじっているかたなら、ラベルを見てぎょっとしていただけるはず。綴りがDiavoloディアーヴォロ=悪魔(英語のデビルに当る)に酷似している。
本人もそれをわかっていてわざとnが目立たない書体を選んでいる。
ワインも、なかなかにインパクトのある色・味です。
アジェーノと同様に、長期間にわたって果皮を漬け込んだまま発酵を行っているため色調も濃く深いです。果皮に漬け込んだ期間は2005年ヴィンテージで4ヶ月間。偉大な年である2006年は1年間(!)という長期間にわたって漬け込んだまま発酵させ続けていたという事です。常識的に考えるとありえないほどの『リスク』ですが、そのワインを飲んで頂くとなぜジューリオがその『リスク』を犯すことを選んだかが理解頂けると思います。
非常に寡黙で、イタリア人らしくない、思慮深く落ち着いた厳戒な 修行僧を思わせるたたずまいのジューリオ。アンジョリーノが彼と話したとき、「あまりに会話のペースが遅くて、何話してたか忘れそうになっちゃった」と仰天した、異色のキャラクター。
彼のワインを飲んで、実はわたしもびっくりしました。まじめな教職員のように彼をとらえていたので、こんなに熱のある、破天荒なワインが飛び出してこようとは夢にも思わなかった。非常に魅力的で、個性的なワイナリーがまたひとつ、登場です。