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セラー・エスコーダ・サナフーヤ
Cellar Escoda Sanahuja エスコーダ・サナフーヤ
ホアン・ラモン・エスコーダはやや大柄な人物で、どうも彼は「ブルータル」という言葉がお気に入りのようです。最後の音節にアクセントをつけ、両腕を上に上げ、怪しい笑みを浮かべながら彼が言うこの言葉は、乱暴や意地悪という意味でなく、素晴らしいとか見事という意味。自らの生活、土壌、ブドウの樹、造り手という職業に対する彼の愛情は、間違いなく強い伝染性があり、私たちも訪問してわずか数分で彼とその土地、そして彼の造るワインが大好きになってしまいました。2013年の6月にスペインで開催された良い造り手が揃ったナチュラルワインの試飲会でも(フランスやイタリアのワインも含まれていました)、エスコーダのワインはとにかくズバ抜けていました。
エスコーダのワイナリーは、バルセロナの南西へ車で90分、ペネデスとプリオラートの中間にあるコンカ・デ・バルベラ地区にあります。ここもカタロニアの非常に美しい場所の一つで、プリオラートほど野性味溢れる趣ではりませんが、ペネデスに比べれば随分と牧歌的な風景が広がっており、さらに5分離れたところには魔法のような中世の街モンブランがあります。気候は地中海性ですが、東に30kmの海から吹く午後の海風があり、ペネデスよりも明らかに涼しく湿度は低く、プリオラートと比べても涼しい気候となり、これがワインにエレガンスをもたらします。
JRとして知られる彼は、自分の畑ではなくそこここのワイン産地の土壌タイプについて話し続けていましたが、土壌から言いうと彼の畑は偉大な土壌とは言い難いものだと考えているようです。しかし石灰岩を豊富に含んでいるので、これが彼のワインに複雑さとエレガンスを確かに与えています。特にシュナン・ブラン、マカベオ、ガルナッチャ、カベルネ・フラン、スモやその他の含む栽培されるブドウの驚くべき多様性により顕著になります。
JRは彼とその妻の家族の所有する畑を元にこのワイナリーを2003年に設立しました。設立の前には、カン・ラフォルス・デルス・カウスで数年間働きながら、他のワイナリーでも短期間の仕事をしてこの仕事を学びました。彼はずっと常にビオディナミを実践し、2005年以降はSO2の使用も止めました。JRと一緒にブドウ畑を歩きながら、彼がブドウの樹のバランスを語るのを聞き、観察していると、現代の情報主導型のファストライフと自然のゆっくりとした営みとの対立をよく口にするこの男の情熱を肌で感じることができます。2013年には、地下9mの自然な気温が15℃の新しい醸造所が完成を迎えます。彼は時折彼の偉大な友人であり、反SO2の同志であるメンダールのロレアノ・セレスと一緒にワインを造ることもあります。