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ドメーヌ・フォン・シプレ
Domaine Fond Cypres ドメーヌ・フォン・シプレ
ドメーヌの当主であるレティシアは2004年に父親と一緒にシャトー・フォン・シプレを立ち上げる。2005年、夫ロドルフ・ジャネジニを通じてフレデリック・コサールと知り合い彼とコラボワインをリリースする。2010年、経営がうまく回らず行き詰っていたが、フレッドのアドバイスを取り入れワイン造りを一新し、ワイナリー名もシャトーからドメーヌに変え新たな再スタートを切る。
2011年の新星フォン・シプレから一躍ラングドックのスターダムに躍り出たレティシア。去年、2013年世界一に輝いたスペインのレストラン「カン・ロカ」のワインリストにオンリストされたり、現在世界一のレストラン「ノーマ」にワインを卸すデンマークのインポーターと大型契約を結んだりと、注目の高まりは飛ぶ鳥を落とす勢いだ!
フレデリック・コサールの醸造方法を忠実に実践しつつ、さらに彼女の醸造の色も出し始めている。一昨年から卵形のプラスチックタンクを白ワイン醸造で使用したり、去年はカリニャンでフランス向けに少量ヌーボーをつくってみたり、はたまた近い将来グルナッシュをアンフォラで仕込もうと模索したり、現在の彼女はチャレンジしてみたいことがたくさんあり、毎日がとても充実しているよう。
レティシアは自身が目指すフォン・シプレの味わいが満足に表現できているようだ!「5 年前と比べて、意識的に何が変わったか?」と彼女に質問してみると、「今までよりも区画、テロワールに意識するようになった」と答えてくれた。以前の彼女は、テロワールの厳密な区分はブルゴーニュだけの話で、ラングドックではあまり関係ないと思っていたようだ。当時は、グルナッシュ、カリニャン、シラーなど漠然と品種で分けて醸造し、テロワールはあまり意識していなかった。そのため、ワインの出来不出来は主にミレジムの影響だと思っていたのだ。だが、テロワールの重要性を知った今は、きちんと区画ごとに収穫日を分け、それぞれ別々に正確に個性の違いを見極めながら醸造するようになった。このことが、短期間で飛躍的なワインの品質向上につながったと彼女は振り返る。
今回リリースする2013年のワインも、彼女なりのひと工夫が施されている!たとえば、熟成に使う樽!2013年から、グルナッシュは228L のブルゴーニュ樽、カリニャンは600L樽、シラーは 225 L のボルドー樽と品種によって熟成樽を分けている!以前は、樽の容量や形状にあまりこだわりがなく、空いている樽か らランダムに使用していたが、これをキュヴェごとに統一することで、より精度の高いワインづくりを行っている。「グルナッシュはピノ・ノワールのような女性的な華やかさがあり、ブルゴーニュ樽がその個性を引き出してくれる。カリニャンはブドウ品種自体が動物臭や還元しやすい特徴があるので、鬱屈した環境ではなく、なるべく容量の大きい樽で伸び伸びと熟成させた方が良いとのことで600L を選んでいる。またシラーは、骨格豊かな男性的な個性があり、ブルゴーニュ樽よりはむしろボルドー樽が個性を引き出してくれると考えて いる」と彼女は理論的に説明してくれた。
また、2013年はブドウの状態から全て除梗し、マセラシオンカルボニックせずに仕込んでいるのだが、これを機にブドウの状態に関わらず除梗を行い、ワインの個性が割りと均一に出やすいマセラシオンカルボニックをやめ、よりテロワールを重視した造りにシフトしていくことを考えている。品質にこだわる彼女の飽くなき追求は止まらない!年々進化するフォン・シプレのワインからこれからも目が離せない!!(2015.10.22.のドメーヌ突撃訪問&2016.1.8 の突撃電話より)
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