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ドメーヌ・フォンテディクト
Domaine Fontedicto ドメーヌ・フォントディクト
ベルナール・ベラセム氏のドメーヌ、フォントディクトは南仏、ベジエの街から北ヘ25km、地中海からも25?ほどのところにあるコー村の村外れにあります。合せて5haの家の周りの畑と段々畑でぶどうを作り、2年半前からは、手造りのパンも焼いています。このパンも大人気で予約がいっぱい。マダムのセシルは毎日、パン焼きに大忙しです。
元々は子供たちが安心して飲める有機ぶどうのジュースを造っていたベルナールですが、有機の展示会で自然派ワインと出会い、自分でもやってみたいと場所を探し、1993年、この地に移り住みました。「結婚をして、子供も出来、もっと大きなことに挑戦しようと思ったんです。ここはぶどうにも人にも動物たちにもとてもよい環境だからね。最初からビオディナミでのぶどう栽培をしています」畑の周りは楢や樫の木の林が囲み、周りから畑を守っていて、土壌は石灰質に玄武岩など火山岩が混じった土壌とブドウ栽培にはとても適した場所と言えます。「ビオディナミは土壌・ぶどうの木、環境の全てを尊重する栽培法だから、選んだんだよ。ちょうど今の4〜5月はプレパラシオンを撒く時期。シリスの花の咲く前に済ませないと、太陽の陽射しが強くなりすぎちゃうからね」畑までずっと着いてきた猫のロコムを抱きながらベルナールは穏やかに話します。
楢や樫の木に囲まれて守られている畑は耕作からぶどうの運搬まで、全てを馬を使って行います。畑は馬が縦・横・斜めのどの方向にも動けるように木が植えられています。毎年、耕す方向を変えることで土壌は平均して豊かになっていくのです。手にとってみると、土はたくさんの微生物や虫たちが住んでいることを証明するようにホコホコ。ふと見ると地面の穴ぼこに小さなクモの巣が張っています。「これはクモの屋根っていうんです。うちの畑には時々あるけどかわいいでしょ」雨の中で小さな屋根は水滴をいっぱいためてキラキラ光っていました。「ほらね、ワインは私が造っているんじゃなくて、周りの自然全てが造ってくれているんです。私は何もしていない・・・」自然派の生産者たちの畑での作業は、土壌を耕し、草を刈り、プレパラシオンを作り、それを撒き、収穫はもちろん、選定までとても大変。その上、醸造も細かく目を配らなければなりません。それなのに、この言葉・・・。ベルナール哲学です。
カーブの中にはクラシックが流れ、その隣のパン工房ではマダムのセシルがかわいい声で鼻歌を歌いながら、パン焼きをしています。畑の横にいる馬たちも驚くほど人懐っこく近付いてきます。鳥も囀り、犬たちも元気そのもの。穏やかに穏やかに時間が流れる中、ワインを試飲してみると・・・。口に含むとまるで自分の一部のように違和感がないのです。自分の中から大きな世界が広がっていくようです。「ワインは毎年、個性が色々。もう大丈夫、美味しくなったと感じるまでは出荷しないんです。時間がかかるのは仕方ないですね。その基準?それは飲んでみて違和感がなくなったら、かな。そういえば3年前のある夜に妻や友人たちと山の中でプロミスを飲んだことがあるんだけど、まるで自分の一部を飲んでいるように違和感がなくて、地球や宇宙を感じたんだよ。ワインがこんな風に感じられるなんて、ってみんなで感動した夜だった・・・」 またしても深い・・・とはいえ、まさしく深く穏やかなのがフォントディクトのワインなのです。(輸入元資料より)