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ゴッセ
Gosset ゴッセ
ゴッセでは醸造時のマロラクティック発酵を行わない。『リンゴ酸は葡萄本来が持つ自然な酸。この酸は長い余韻と複雑なアロマをシャンパーニュにもたらす』通常葡萄に含まれるリンゴ酸は3〜5g/L。マロラクティック発酵を行う事でリンゴ酸は1g以下にまで減少してしまう。『マロラクティック発酵をする為には、ワインを加熱し培養乳酸菌を加える。更に発酵後にはスーティラージュも必要。ワインの味わいに影響がある』ゴッセではアルコール発酵後のワインを10℃以下に冷却する事でマロラクティック発酵の発生を抑えている。ゴッセのデゴルジュマン時の総酸は6g/L(通常は3〜4g/L)。この豊富な酸が平均60カ月以上というゴッセの長期瓶内熟成を可能にしている。
使用する葡萄はモンターニュ・ド・ランスとコート・デ・ブランのグラン・クリュ畑を中心に70村200以上生産者。1haに満たないような小区画ばかりだ。アイ村から30キロ圏内のグラン・クリュやプルミエ・クリュの葡萄が主体だが、コート・デ・セザンヌやヴィトリィ・ル・フランソワのシャルドネも使用する。『コート・デ・ブランをベースに2つの他の地域のシャルドネを加える。コート・デ・セザンヌのシャルドネは骨格と厚みを、ヴィトリィ・ル・フランソワのシャルドネはしなやかさを与えてくれる』ピノ・ムニエはエペルネに近いオーヴィレ村などマルヌ河右岸の村を選んでいる。『チョーク質で育つピノ・ムニエは粘土質のムニエと比べてしっかりとした骨格を持つ。モンターニュ・ド・ランス北部のシャムリィ村などの砂地で育つ軽やかなピノ・ムニエと合わせて使用する』マルヌ川に沿って西へ行くほど葡萄の価格は下がるが、葡萄は酸が減り凝縮度に欠けたものになる。その為ゴッセでは、シャティヨン・レ・バスティーユより東側の葡萄のみ使用する。
醸造・栽培責任者のジャン・ピエール・マレネはが1983年から30年以上ゴッセの醸造・栽培責任者を務めている。ジャン・ピエールの代になりジャイロ・パレットなどの設備は導入をしたが、ノン・マロラクティック発酵のスタイルは変えていない。『数年前に門出のリキュールに実験的にMCR(酸や色素を取り除いた濃縮葡萄果汁)を試した事がある。しかし数か月で驚くほど酸化が進んでしまい、ノン・マロラクティック発酵のシャンパーニュには合わない事に気づいた。味わいに関する部分はこれからも変えない』アッサンブラージュは100種以上の原酒からジャン・ピエールが試飲をして決定する。『アヴィーズ村のシャルドネは毎年固い酸を持ち、メニル・シュル・オジェ村の区画からは丸く厚みを持つシャルドネが出来る。同じ品種でも対極の個性持つ葡萄を合わせる。若い時は互いの個性がぶつかるが、ゴッセの様に長期間熟成させる事で複雑さが生れる。(輸入元資料より)