トップ > フランス > ロワール > トゥーレーヌ、シノン > ジュリアン・クルトワ
ジュリアン・クルトワ
Julien Courtois Julien Courtois ジュリアン・クルトワ
ジュリアン・クルトワのドメーヌはロワール地方のブロワの街から南西に25kmのソワン村にあります。
ジュリアンといえば、ロワールの自然派を代表する生産者のひとり、クロード・クルトワを父に持つことで知られています。
よちよち歩きの頃からぶどう畑の中で育った彼は10代の頃から父と共にワイン造りの経験を積み、1998年、21歳の時に自分自身のワインを初リリースします。醸造はずっと父の下で行ってきましたが、父のカーヴを継ぐことは弟に譲り、ついに自分のカーヴが完成、完全に独立を果たしました。とはいえ、ワインへの情熱が先ということでかーヴは完成したものの自宅は未だにプレハブ状態のまま。それでもアーティストのマダムはラベルのための絵を描いたり、しっかり協力してくれています。次は家族の為に家を建てることも目標のひとつになりました。
ワイン造りにおいて、ジュリアンが一番大切にしているのは畑での作業です。なぜなら、品種の個性とテロワールの特徴を良く表現した健全なぶどうを造ることが、良いワインを造る原点だから。ぶどう畑の環境を良くするために、木立で畑を囲ったり、果樹を植えたり、動物を飼ったりして多様性を持った生物環境をつくり、バランスをとる試みもしています。
具体的にはぶどうの畝の間を耕すのは毎年、2列置きに交互に行います。草を鋤きこむ為の作業は4月から6月にしています。また、木の根元の畝の草は手作業で短く刈り込み、悪影響を及ぼすものは抜くようにしています。草を残すことで雨量が多いときは余分な水分を草が吸い、太陽に対しては程よい水分や温度の状態を保っくれるからです。そしてぶどうの木の根が地底深くまで伸びる手助けにもなるのです。
もちろん、一切の化学薬品は使用しません。収穫はぶどうが完熟するのを待って行い、凝縮感を得る為に収穫量は驚くほど低く保ちます。
「僕はただ、最高の状態でテロワールが表現できりように、ぶどうの環境を整えてあげるだけ。後は自然の力なんだ」ジュリアンは、いつも静かで控えめです。
《醸造について》白ワインはそのままプレスし、発酵も醸造も樽で行います。赤ワインについてはぶどうはすべて房からはずし、発酵中は定期的にピアージュをし、プレスは木製の昔ながらの機械を使います。熟成は樽で。「発酵期間はすべて自然に任せているんだ。健全な酵母が間違いなく働いてくれるよう、日夜見守ることが仕事だからね」きれいな澄んだ目のジュリアンは、ナチュラルとは、自然を最大限に生かすことなのだと教えてくれたのでした。