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ラングロール
Domaine L'Anglore ラングロール
父の仕事である養蜂を手伝っていたエリック・ピフェリン氏ですが、88年に祖父の死去とともに葡萄畑を引き継ぎ、自然農法への試行錯誤を続けながら2000年まで農協に葡萄を売っていました。ここで運命的な出会いを果たします。
当時農協(エステザルグ)の醸造長を務めていたのが現フーラル・ルージュの辣腕ジャン・フランソワ・ニック。あまりに工業的なワインが溢れていることに疑念を持った二人は、エリックの自然栽培のノウハウ、ジャンフランソワの酸化防止剤不使用醸造のノウハウ等、全てにおいて研究を深めていき、ジャン・フランソワとは無二の親友として親交を深めていきます。
二人でワイナリーを打ち立てたいという夢をもって進んできた二人ですが、ルーションの地に惚れこんだジャン・フランソワがエステザルグを辞して自らのワイナリーをスタートしたのを機に、エリックも元詰めに踏み切り、「ラングロール」が誕生しました。ともにその地を代表する生産者として尊敬を集める身になったいまでも無二の親友として頻繁に交流を続けています。
彼が尊敬する祖父母の代から丹精込めて守ってきた畑は極めて樹齢が古く樹齢100年を超える超古木も。畑においては極力干渉せず自然のままに。収穫の際は葡萄畑に冷蔵トラックを横付けして、朝一番で収穫された葡萄を冷蔵してカーヴまで運び、5〜7度まで一晩冷やしてから醸造されます。(近隣の農家からは冷蔵庫の音が五月蝿いと苦情が来るそうですが…)葡萄は丸ごと房ごとタンクに入れ、二酸化炭素が充満した嫌気的な環境でセミ・マセラシオン・カルボニックを行います。ピュアで瑞々しい果実味をワインに映し出すこの手法はボジョレ地区の大御所マルセル・ラピエールが行うもので、遡ればジュール・ショーべから来たもの。南仏の熱さのなかで、アルコールを感じさせず、果実味とテロワールを表現するためには、この方法がもっとも適しているとのこと。
昔ながらのタヴェルのワインを再現した彼のワインはAOCにも認められず、多くのワインがテーブルワインとしてしか販売できない中で、初めて訪れた日本で自分のワインが普通に受け入れられていることに驚き、そして多くの料理人やソムリエ、酒販店、そして消費者が、自らのワインの良さを認めてくれ、栽培方法、醸造方法、生き方に共感してくれたことに感激した彼は、考え方が誤っていなかったことを再確認し、高みを目指すための原動力になったといいます。そんな彼の感謝の気持ちが、パリのヴェールヴォレにもカーヴオジェにも販売されることのない、日本市場限定のキュヴェである「ニュル・パール・アイユール」に込められています。(白字に日の丸をあしらった個性的なラベルです。)
そんなエリックですが、現在ではパリのヴェール・ヴォレの店主いわく「ローヌNo1の蔵元」と絶賛されるほどに成長し、日本でも熱烈なファンが後を絶たない状況です。(輸入元案内より)