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マローロ
Marolo マローロ
ピエモンテ州、アルバの中心地から北に4km程、サンタ・テレザにある小さな蒸留所。1977年がファーストリリースで、現オーナーのパオロ・マローロ氏が立ち上げました。丁寧に絞られた高貴品種の搾り滓を、新鮮なうちに蒸留し、世界的に高い評価を受けています。樽熟成のグラッパの先駆的存在でエレガントなアロマと美しい琥珀色のグラッパはコニャックやウイスキーにも全く劣ることない素晴らしい品質です。
オーナーのパオロ・マローロ氏は卓越した技術力と情熱の持ち主でグラッパの繊細なアロマと味わいのハーモニーを見事に表現。グラッパの編曲家のような存在として知られています。グラッパの原料に拘り、産地の個性や収穫年などを尊重しつつ純粋な味わいを表現する事に重きを置いています。マローロのグラッパが最初に生産されたのは、1977年。当時、古めかしく、田舎っぽい印象を持った酒であるグラッパを、洗練されたものに昇華させたいという強い思いからパオロ・マローロ氏は蒸留を始めました。当時から、高貴品種の絞り滓が、グラッパの品質が向上されると目をつけ拘りのグラッパを造り続けています。
マローロの蒸留所は何より使用するブドウの絞り滓の鮮度にこだわり、あらゆる地域のワイナリーと近しい関係を持つことを大事にしています。蒸留所にはベン・マリー(bain marie)を呼ばれる単式の蒸留器が2台備わっており、一つは白ブドウの絞りかす用、もう一つが黒ブドウの絞りかす用になっています。大量のグラッパを造ることは出来ませんが、使用している品質の高い搾り滓の個性を的確にとらえることが出来ます。
《搾り滓の仕入れ先》
◆バローロ:エリオ・アルターレ、ジャコモ・コンテルノ、アルド・コンテルノ、パオロ・スカヴィーノ、アゼリア、アレッサンドラ・ジャンフランコ、ジェルマノ・エットレ、ピオ・チェザーレ、チェレット、コルデロ・ディ・モンテッゼモーロ、マルケージ・ディ・バローロ、パオロ・コンテルノ、ジャンニ・ヴォエルツィオ、ロッケ・デイ・マンツォーニ、プルノット、他
◆モスカート:ベラ、リカルドーネ、ファットリア・サン・ジュリアーノ、他
◆ブルネッロ:リジーニ、チェルバイオーナ、サルヴィオーニ、シロ・パチェンティ、カパンナ、テヌータ・サン・ジョルジョ、チャッチ・ピッコロミーニ・ダラゴーナ、他
マローロの蒸留所は機械化されておらず、グラッパ造りは蒸留器を扱う人にかかっています。マローロでは製造段階すべてのプロセスを人の目で慎重にチェックします。パオロ氏の緻密な職人技をもって絞りかすと向き合い、それぞれの特性を表現していきます。マローロのグラッパは長年の知識と情熱によって支えられておりブドウの持つ特徴を余すことなく表現しています。
マローロのグラッパの特徴の一つに洗練された樽熟成があります。彼らは樽熟成のグラッパの先駆的存在でラインナップの中には、バローログラッパの9年、12年、15年、20年、27年熟成、そしてモスカートグラッパの5年熟成があります。12年まではオーク樽の中で寝かせ、その後はアカシア樽へ移し、さらに寝かせる手の込んだ造りをしています。アロマはエレガントに、色は琥珀に仕上がります。パワーと厳格さ、そして対照的な複雑さのコントラストがマローロのグラッパの個性となりました。香りも味わいも卓越したものとなり、コニャックやウイスキーにも全く劣ることない品質だと自信をもっていますが、日々研究を続ける熱心な造り手です。
マローロを象徴する翡翠のラベルは1976年にピエモンテ州のドリアーニに住んでいたアーティストの故ジャンニ・ガッロ氏がデザインしました。当時、パオロ氏が出来上がったバローロ グラッパを彼の家に持ち込み、二人の熱い議論の結果ファーストリリースのラベルが完成します。故ジャンニ・ガッロ氏はアーティストとして鋭い観察眼を持ち、彼が描いた動物たち、木々、それから花々は美しく躍動感とオリジナリティーがあります。後に、マローロの美しいラベルはイタリアで広まり、後に国外でも知れ渡ることとなります。ファーストリリース以来、パオロ・マローロ氏と故ジャンニ・ガッロ氏は親友で、今は二人の想い出を繋ぐ大切な宝物となっています。
蒸留所は、現在パオロと息子のロレンツォが中心となって運営しています。幼いころから蒸留所の中を父とともに回り、興味を持っていたロレンツォ。酒造りに関する知識を深く追求したがっていた彼は、トリノにある父の母校に進学し酒に関する技術を習得。後に大学では経営を専攻し今は父を手伝っています。父パオロの経験を尊重しつつ、新しいアイディアを追求するなどマローロの次の世代を担う頼れる存在となっています。