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メイガンマ
Meigamma メイガンマ
サルデーニャ島の州都であるカリアリから東に約40km、島の南東の飛び出た部分のカドに位置する小さな町ヴィッラ・シミーウサ。今では観光がメインとなってしまったこの土地でも、昔はブドウを始めオリーヴや果実の栽培が盛んでした。地元出身のジョゼッペ・クシェドゥは町でホテルとレストランを経営していました。妻バルバラはロシア出身のとても美しい女性。彼女はサルデーニャに渡り、地元のホテル経営者と旅行会社のスタッフ。どちらから声を掛けたかは聞きませんでしたが、二人はお互いに惹かれ合い結婚。現在は二人の娘に恵まれ幸せな生活を送っています。そんな彼らがなぜワイン生産者になったのか...もちろんワインが好きだったという事は大前提ですが...
2006年にジュゼッペの両親が持っていた土地を譲り受けた所から彼らの人生が大きく動き始めます。バルバラは「人生一度きり、やりたい事、目指す事を思いっきりやって人生変えよう!」と思ったそうです。ジュゼッペは主に農業の事を地元の方々に聞いて教えてもらったり、教材で勉強を始めました。バルバラは地元生産者の元を訪ね、醸造を見せてもらったり話を聞いたり、基本的な醸造学はオンラインで学んだそうです(現代的w)。もともと自分達や地元の人達の為に始めたワイン造り、人為的な添加物等は一切使わずに健全なワインを造る事が彼らの目指す所です。
2006年に二人で開墾した畑は2ha。全てカンノナウを植樹。2014年に0.5haの畑を購入しナスコとムリステッロを植え、現在全部で2.5 haの畑を所有しています。畑の海抜はほとんど無く海から500〜600mしか離れていない場所、もともとは川だった土地の為、砂と粘土、小石が混じり石灰質はほとんど見受けられません。4月に少しまとまって降る以外、基本的に雨が少ない土地で、7.8月の平均気温は35℃とやはり暑く厳しいもの。しかし周りに残された原生林と山、海から吹く風の影響で、心地よい気候も随所にみられると言います。畑では農薬や化学肥料は一切使用せず、除草剤ももちろん使いません。銅と硫黄の散布も極めて少ない量で収めています。3年前に緑肥となるマメ科の植物の種を蒔いてからは、自然と様々な植物が芽を出すようになり、畑の栄養素を十分に確保しています。
手作業での収穫を行い、収穫された果実はそれぞれ発酵へ。1日以上マセレーションを行うロザートと赤に関しては、マセレーション中のみステンレスタンクにて、温度が高くなり過ぎない様にコントロールを行い、その後いずれも古い木樽での発酵を行うのは酸素との接触を多くする為。空気に触れる事でワインに酸化に対する免疫を付けさせます。発酵は1週間程で終了し熟成へ。それぞれ古い木樽へ移される際もフィルターは一切使用せず、自然な澱下げを行い、おおまかな澱のみを除くだけ。そのまま春まで熟成させてボトル詰めします。ボトル詰めに至るまでの全ての工程で、フィルター濾過を行わず、亜硫酸の添加も行いません。
彼らがワイン造りを始めるキッカケとなったのが、サルデーニャの自然な生産者で、彼もまた亜硫酸に頼らない醸造を行う造り手でした。こんなワインを造りたい、このワインを超えるワインを造ってみたい!そんな夢を描いて始まったジョゼッペとバルバラの挑戦。これまでも決して平たんな道のりではありませんでした。多くの家族と仲間に支えられ、多くの先人達の力があったからこその事。ラベルデザインはバルバラが作ったもの。畑や家に生えるハーブや草花、果実をそのまま描いた綺麗な絵です。そして瓶口に括られた可愛らしい紐。これは地元出身のデザイナー、マリアライトさんがお祭りの際に町長からの依頼で町に装飾を施しました。一軒一軒の家をこの紐で結び、みんなが繋がって幸せでありますようにとの願いを込めて。この素敵な装飾に感銘を受けた二人は、自分達のワインも色々な人達とのつながりが無ければ完成する事は無かった...という想いと重ねあわせ、心を込めて結ぶ事にしたそうです。彼らも多くの人達とワインで繋がっていけますように、との願いを込めたものなのです。暖かく、優しく、緩やかな時間が流れている彼らのワインには、その反面、身体の底から溢れでる強いエネルギーの源の様な感覚があります。飲むたびに体が喜び飲むごとに旨みを増す、不思議な感覚を持ったワインです。
Meigamma=サルデーニャに伝わる言葉で、昼ごはんを食べた後、消化に伴って起こる眠気の事をメイガンマと言うそうです。生活の早いリズムに惑わされず、ゆっくりと和やかな時間を自分達のワインと共に過ごしてほしい、そんな願いが込められています。(輸入元資料より)