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モンテ・ベッラーリア
Monte Bellaria モンテ・ベッラーリア
エミリアの州都パルマから続くパルマ川沿いを南下し、山道を走る続ける事約 25km。自然豊かで、のどかな時間が流れる田舎町ベドゥッツォがあります。この地でひっそりと葡萄栽培を行う小さな小さなカンティーナ・モンテベッラーリア。オーナーであるフラヴィオ・テバルディは、定年を機に地元であるベドゥッツォの丘に畑を手に入れ、パルマ出身のフィリッポ・ヴァッラと共に葡萄 栽培とワイン醸造を開始しました。
彼らの畑はとても小さく 1.5ha ほどで、収穫が始まってからは地元にのみ量り売りを行ったり、ご近所さんに配ったりする程度で、ボトリングはするものの、ラベル等は造らず自家消費や身近な人達が楽しむ為のワイン造りを行っていました。我々が彼らと出会うきっかけを作ってくれたのは、同じエミリアのカンティーナ、レ・バルバテッレで働いていたエリカ・タッリャヴィーニ。彼女は古くからフィリッポと友人関係にあり、彼を通じて出会ったフラヴィオの持つ畑・葡萄、そしてフィリッポが醸すワインに大きな可能性を感じ、共により良い自然なエネルギーの詰まったワイン造りを目指し、歩み始めようとしていたところでした。まだ輸出はもちろんの事、ラベルを張っての販売も行っていなかった彼らのワインをいち早く紹介してくれたのがエリカでした。
畑の海抜は 360m。夏は気温がかなり上昇し日中は厳しい暑さが続きますが、絶えず吹き付ける風の影響で、昼夜の寒暖差がしっかりと起こります。冬には雪が積もるほどの寒さが訪れ、一年間の気温の変化が大きく、葡萄樹達は強くたくましく成長を続けます。葡萄樹の樹齢は平均的にまだまだ若く10年ほどです。畑では農薬や化学肥料は一切使用せず、雨が降った後などに必要最低限の銅と硫黄の散布を行っています。雑草は土地を掘り起こしたりはせず、伸びた部分を切り落とします。また剪定した枝を粉砕し、土地にまく事で肥料の変わりとしています。
醸造は全て自然酵母のみでの発酵を行います。全てのワインは除梗後、発酵前の葡萄の段階で極少量の亜硫酸を添加し、酵母を整えます。微発砲は白・赤どちらもそれぞれの期間マセレーションを行い発酵。収穫時に冷却保存しておいたモストを混ぜて春先にボトリングを行います。瓶内で再発酵が起き、発酵によって発生したガスを閉じ込めたフリッツァンテです。赤は約30日間のマセレーションを行い発酵。バリックとステンレスタンクに分けて24カ月間の熟成。醸造中の亜硫酸の添加は全てのワインで除梗時にのみ極少量を使用するのみで、その後瓶詰めまで一切無添加で行われます。
定年を迎え、時間にゆとりが出来たフラヴィオは、自分の生活の近くにある自然、草木や花、土地の豊かさに改めて気付き、 そしてその豊かな自然と葡萄との繋がりがいかに強いかに気付いた事が、彼の人生の大きな転機になったそうです。フィリッポとエリカという同志を得て、改めてこのベドゥッツォという土地の素晴らしい自然の力が多くの人々に伝わるワイン造りを目指します。素朴で飾らない旨味と、個性豊かな果実味と味わい。田舎のゆったりとした時間が一緒に詰めこまれた素晴らしい生産者です。