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ドメーヌ・オジル
Ozil オジル
「兄弟二人三脚、自然体で向かう無謀な挑戦」
ジェローム・ジュレ、ジル・アゾーニ、マゼルなど名だたる造り手達が活躍するアルデッシュ地区。アルデッシュと一言で言ってもその範囲は広大で、彼らが活躍するのはアルデッシュの中でも南のエリア。この場所はワイン産地としては辺境の辺境で、テロワールというヒエラルキーではもっとも裾野に位置するとされた場所で、大手ネゴシアンや協同組合にブドウをkg単位で売るしか選択肢がなかったエリアでした。しかし選択肢が無いと言うことは失うものがないという意味でもあり、自らの信念に添って人生を賭けたワイン造りに取り組む生産者が一人、また一人と登場します。その先駆者はレザン・エ・ランジュのジル・アゾーニ氏であり、ドメーヌ・マゼルのジェラール・ウストリック氏です。そして2006年に自然派ワイン造りをスタートさせたジェローム ジュレの登場によってこの地域は一気に活気を帯び始めました。
2013年にトマとジャン=ダニエルのオジル兄弟によってはじめられたドメーヌ オジルもこのアルデッシュの潮流の中で生まれた新しい自然派ワインの造り手です。彼の父親は典型的な地域の栽培農家で、ブドウを栽協同組合に売っていました。しかし近年は協同組合の倒産や低価格な新世界ワインの台頭によるネゴシアンの販売不振などの影響もあり、栽培農家として生計を維持するのが年々厳しくなっています。息子のトマ・オジルは、近隣のジェローム・ジュレやジル・アゾーニの成功を見て、自分たちの代では自然派ワインを造るんだという意志を固めて行きます。まずジェローム・ジュレの下でワイン造りを学び、独立前にはジル・アゾーニの下でも研修を重ねます。特にジル・アゾーニの息子であり現在は引退したジルの後を継いでワイン造りを手がけるアントワンヌとオジル兄弟は同世代ということもあって親交が深く、切磋琢磨しながら先駆者達の経験と知識をしっかりと吸収して初ヴィンテージからキラリと光る魅力の備えたワインを生み出しています。