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ラバスコ
Rabasco ラバスコ
ヴァレンティーニに学ぶ伝統
『エドアルド・ヴァレンティーニは特別な造り手ではなく、伝統を守る良心的造り手だった。しかし、現在では唯一と言って良い特別な造り手。彼等こそが唯一、アブルッツォの伝統的ワイン造りを継承したのだから。良き先生であるヴァレンティーニにアブルッツォの伝統的ワイン造りを学んできた。私達が2人目のアブルッツォの伝統的造り手となった』(イオーナ・ラバスコ)
アドリア海から30km 内陸に位置するピアネッラの丘に位置するラバスコは他の造り手同様に10年前までは低価格大量生産ワインを造っていた(しかし有機栽培は昔から実践)。樹齢の高い昔ながらのラジエッラ仕立の畑を多く所有するラバスコは、その質を活かすことなく、大量な低価格ワインを造っていた。
そんな時にヴァレンティーニやエミディオ・ペペと親交の深いダニッロ(現醸造責任者)と出会い、意気投合。アブルッツォの伝統的ワイン造りの追求と、量から質への転換を図ることとなる。畑は4カ所に分かれ、そのほとんどは樹齢40年以上。畑の特徴を活かしながらその葡萄に合わせたスタイルのワインを醸している。また、ビオディナミを導入。調剤も自分達で手作り。畑のまわりには果樹園を造るなどして、できる限り生物の多様性を実現している。
ダミジャーナ発酵・熟成
ここでもバローニ・カンパニーノ同様のダミジャーナ(ガラス瓶)発酵・熟成が行われている(詳しくはバローニ・カンパニーノを参照)。特にダニッロとイオーナが注力しているのが“ヴィヴァーチェ”と表記された微発泡ワイン。『エミディオ・ペペは発酵が完璧に終わらないうちにボトリングすることで瓶内にガスを残している。これによって彼等のワインは若干還元的であると同時に、ゆっくりとした熟成を進めていくことになる。酸化防止剤の添加も必要なくなる』このエミディオ・ペペの考え方を実践していく過程で生まれたのがヴィヴァーチェ・コッリーネ・ペスカレージ。一次発酵が完全に終了しない段階でモストを極少量加えてボトリング。王冠で封をし、熟成。デゴルジュマンすることなく、出荷。『日常の食事と共にそこにあるべきワインは何かと考えた時にヴィヴァーチェが必要だと思った』
各畑の個性に合わせて醸造
アドリア海とグランサッソ山脈に挟まれるラバスコ。海を臨む Vigna San Desiderio は海洋性気候と海風の影響を受ける。土壌は赤土で粘土質。樹は若いがモンテプルチャーノとの相性 が良い畑 。Vigna Cancelli はグランサッソ山脈に近い冷涼な気候。石灰質が強 く、細く引き締まった酒質 。Vigna La Conchetta は真南を向く理想的畑で昔から最高の畑と言われてきた。Vigna La Salita は東を向く畑で最も勾配のきつい畑。最も冷涼な頂上部には伝統的にトレビアーノが植樹されており、最下部のモンテプルチャーノは水分が多いのでロザートに使われる。毎年、ブレンド比率は異なり、DOCへの申請も通らない ことが多い為、造られるワインは異なる。(輸入元資料より)