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ルナール・デ・コート
Renards des Cotes ルナール・デ・コート
フランスのへそ、クレルモンフェラン市北郊外、ミネラルウォーターで有名なボルヴィックのイメージシンボル「ピュイ・ド・ドーム(溶岩ドーム)」の裾野にティエリ・ルナールのワイナリーがある。そして、彼のブドウ畑は、太陽の光が燦々と当たる南向きに面した高台の勾配急な場所に位置し、そこからはクレルモンフェランの美しい街並みを一望できる。火山群と火山によってできた独特の痩せた土壌、日中夜そして夏と冬の気温差が著しい内陸性気候等のミクロクリマの影響で、糖と旨み、酸がしっかりとのった晩熟タイプのブドウが出来上がる。
現オーナーであるティエリ・ルナールの本業はワインの講師で、ボルドーでワインを学んだ後、1989年から「クラブ・ド・デギュスタシオン」という企業向けのワイン講座を開講し、現在でも地元の大企業ミシュランなどを中心にワインテイスティングのセミナーをおこなっている。もともとビオロジックな食物に興味があった彼は、講義に必要な情報を得るために訪ねたたくさんのワイナリーやテイスティングを通して自然派ワインの存在を知り、次第とワインの嗜好もナチュラルな方向に傾倒していくこととなる。同じオーヴェルニュ地方で自然派ワインをつくるパトリック・ブージュやステファン・マジュンヌとも親しく、2002年に自身のワイナリーを立ち上げて以来、品質向上のためお互いの情報交換は欠かせない。
現在ティエリ・ルナールは3haの畑を1人で管理している。(繁忙期は季節労働者が数人手伝う)彼の所有するブドウ品種は、ガメイ、シャルドネで、樹齢はシャルドネが10〜30年、ガメイが50〜100年の古樹。そして毎年の平均収穫量が15hL/ha と驚異的に少ない。ワインセミナーの主催者兼ヴィニョロンという二つの顔を合わせ持つ彼は、両方のバランスをうまく保ちながらも超ド級の個性的なワインをつくり出す。