Jun ko Syo by Sen-nin Spice 仙人スパイス《 純胡椒 》
《 おいしい胡椒はインドネシアのカリマンタン島から 》
カリマンタン産の胡椒
インドネシア・ジャワ島の都市から飛行機を乗り継いで1日、降りた地はカリマンタン島の町。そこから車に揺られ4時間、行き着く先に胡椒を栽培する村があります。初めてこの地域を訪れ庭先で干されていた胡椒を口にした時、1粒からの風味の広がりに驚きました。その理由を調べてみると、一帯は豊富な湧き水が数多く見られる湧水地帯。これはインドネシアでも珍しい湧水が土を育むという特別な土地で、地下から運ばれたミネラルが土壌を豊かにし、自然と印象深い個性ある風味を作り出していると考えています。
胡椒の品種も大航海時代?
また、この村の胡椒にはこんなエピソードも。古くにオランダが統治していた時代の終わりに、それまでスパイスの樹木持ち出しが厳しく規制されていたマルク諸島からいくつかのスパイスの苗を持ち出してカリマタン島へ渡り、現在の村へ胡椒苗木と共に移り住んだと言う村のブギス族の老人の話があり、スパイス貿易時代より今も変わらない当時の香りを受け継ぐ胡椒であることも分かりました。
胡椒栽培の産地に滞在して、現地で収穫したものをその日のうちに加工しています。塩漬けされた胡椒は、カリマンタンの村から町へ、さらに船を利用してジャワ島(都市)の加工場まで海を越えて長い道のりを運びます。都市の加工場では2次加工と包装を進め、輸出まで全ての現場に立ち製造を行った塩水漬け胡椒です。現地で実る房のままの姿と、カリマンタン産の香り立つ風味と食感をそのまま日本へ届けたい。小さい地域から見つけた良質の胡椒を日本へ輸入するために生産地から一貫した商品作りに取り組みました。
全ての作業はインドネシアの人と共に
《 現地の農法 》
胡椒の村にて毎日の様に畑に通い、2011年から除草剤や化学肥料を出来る限り使用しないナチュラルな農法に取り組み始めました。これからは便利なことだけを求めるやり方ではなく将来の土のありかたを考えた農法が必要だと村の生産者たちと話し合い、現在少しずつ村の中に広がりつつあります。現在、断食月間(イスラム教)など畑仕事が困難な時期に除草剤をやむなく使用してしまうケースがあり、完全無農薬ではありません。
《 収穫・加工 》
契約している生産者から原料の胡椒を引き受けています。収穫は家族単位で行われ、女性たちであったり、夫婦や家族総出であったりします。熟練の目で純胡椒に適したものを摘んでゆきます。グリーンペッパーは時間が経つと黒く変色してしまうため、塩水漬け作業は収穫したその日のうちに行います。一定期間熟成させた後、胡椒は村から町を経由して海を渡り、ジャワ島の都市へ送られます。
《 加工・包装 》
二次加工(選別/瓶詰め)はジャワ島あるるスラバヤの加工場にて行っています。塩漬けされた胡椒は生もの、その取り扱いは生鮮物を扱う基準を採用し手早い作業を心掛けています。現地で一緒に仕事をするスタッフは若いメンバーです。彼らとは、しっかりとした衛生基準を習得してもらうため、大切なことは日々のコミュニケーション、細心の注意を払って作業することに努めてもらっています。
インドネシアのローカルを歩くと、各地にはスポット的に存在する風味の高いスパイスがありました。現地の香りを身近に感じてもらいたい、その想いから独自の製品化・輸入を行うというプロジェクトを立ち上げました。畑の中で胡椒を眺めながら思いついたことは、畑からそのままの胡椒を「見る」「味わう」というコンセプトでした。この両方を楽しめるように、房の形のまま漬け込む方法を考案しました。
生産地へ入り収穫から携わることで、インドネシアというゆっくりした時間の流れの中であっても品質の良い商品作りを可能としました。カリマンタン島のローカルの村は、なかなか行く機会のない地域。荷物を運ぶためには独自の運送ルートを作ることになりました。加工を行う従業員とは衛生基準について基本から学んでもらい、衛生的に食品を扱うとは何か?必要になる衛生基準についての理解を深めた上で作業を進めてきました。純胡椒は原料を一から見つめて作られたセルフビルドの製品です。
【高橋 仙人プロフィール】
2000年よりインドネシア各地のローカルへ飛び「クリプトコリネ」というサトイモ科の水生植物を調査。ジャングルにある湧水のみに自生する希少性ある植物で、湧水がはぐくむ生態系を見るひとつの指標になると考え続ける。庭先に干されたスパイスは当たり前の景色でしたがながら、その中で特別な風味を持つものに出会うことがあり、土や水がよい地域では洗練された香りや、深みのある味わいをもつスパイスがあり、これらが風土と深く関係していることに関心が強まり、土地の力を十分に受けたスパイスの魅力に惹かれ“仙人スパイス”を立ち上げ今日に至る。
純胡椒のおいしい組み合わせ&レシピ
肉料理、魚料理から野菜料理まで、いつもの家ごはんからちょっと美味しい食材にまで、組み合わせは自由、様々な食材に良く合います。粒のまま使用するとカリっとした生の胡椒の食感を十分に、緑の香りが楽しめます。辛いものが苦手な方には粒を少し刻んだものを使い、オリーブオイルやチーズなどと合わせると辛さが和らぎます。
●〈 肉料理 〉さっと焼いたお肉や、煮込み料理の上にトッピングして生ハムやスモークサーモンと合わせて。
●〈 魚料理 〉ムニエルなどの食べる前にトッピングしてカルパッチョに。(イカ、エビ、ホタテなどの甘みのあるお刺身の上に)
●〈 野菜料理 〉蒸し野菜やグリル野菜と合せてベークドポテト、マッシュポテトなどポテトとの相性ピッタリ、サラダの上に少し乗せたり。
●〈 チーズ 〉カマンベールなどの上に乗せて、クリームチーズをぬったパンやクラッカーに数粒トッピング。
●〈 卵 〉オムレツ、目玉焼き、半熟ゆで卵に合わせて。
●パスタやオープンサンドの上に乗せて頂くと、いつもの料理がさらにおいしく仕上がります。
●〈 米 〉お粥やリゾットに合わせて、小さめのおにぎりに2〜3粒入れるとお米の甘みとの相性に驚き...。