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ラドヴァン・シュマン
ラドヴァン・シュマン suman
地球から学ぶ、生きる農業
スロヴェニアの北東部ポドラウイェ地域、スレドニェ・スロヴェンスケ・ゴリツェ地域にあるシュマン家は先祖代々続くぶどう農家。ワイン造りは17世紀からスタート。
第二次世界大戦中に共産党に土地を没収され現在は5.5haにまで縮小したものの、当主ラドヴァン・シュマンが中心となりワイン造りを続けている。2010年からは完全にSO2無添加。
当主の「ラドヴァン・シュマン」は、もともと自然や動物が大好きで獣医と農業を学ぶ為に大学へ。
しかし、「農薬を当たり前に使う農法」や「動物との共存はあり得ない」という慣行的な教えに疑問を抱くようになった。
学校で教えてもらうことが絶対ではない、と独自に植物の研究をスタート。
一生かけても見つからないかもしれない、と言いつつも一つの答えとして導き出したビオディナミにおける「エコシステムバランス」
単に農薬を使わないことだけが重要ではなく、【火(太陽)、水、空気、土】の4つの要素を大切にしながらぶどうづくりではまず土の理解を徹底している。
「その当時は目に見えるマテリアルなものしか考えることができていなかった。いまは目に見えないことやシステムで考えることを大事にしている。一生かけても答えは出ないかもしれない」とシュマン。
【彼の土へのこだわり】
●土作り
本当に素晴らしいヒュムス(腐植土)が土壌の表面わずか1%を形成するのにかかる時間は1000年と言われている。
人はトラクタやー農薬などを使用し、一瞬にしてそのヒュムスを破壊している。
本来テロワールを語る上でこのヒュムスが存在する事が大前提のはずだが無視して語る人間が多い。
ヒュムスはその土地の生態系を全て記憶した重要な有機物。
エコシステムの大前提!
●コンポスト
羊や馬の糞をベースにグレープシードの搾りかすと酵母を足した液体を混ぜて作ったもの。冬は藁で保温。
若いコンポストはミミズが多く、養分豊富なコンポストになるに連れてミミズはほぼいなくなる!
2019年に作ったコンポストは2021年から使用する予定。
●畑
1000回掘り返してもやわらかく、温かく多くの微生物が存在する畑。
農業の話をする時は、みんな病気の話をするが本来は健康な畑について話すべき!
5.55haの畑には樹齢15年のピノ・ノワール、イエローミュスカテル、そして、周りには80種類以上の品種を混植。
ぶどう以外にも200種類以上のハーブや野菜を植えている。