赤甘口・500ml
プリミティーヴォ 100%
アントニオ・フェッラーリの名前を世に知らしめた最も個性溢れるワインである。コルクを開けるとレチョート デッラ ヴァルポリチェッラの香りが広がり、飲み口にヴィンサント特有の熟成香のニュアンスも感じる不思議なワイン。到底半世紀前に造られた物とは思えない若々しさで、まだまだ、というよりむしろ全然ピークを迎えていない程。一口含むと野イチゴ畑を連想させる甘さを感じるが、じっくり味わいを噛みしめるとそこまで甘くはなく、その圧倒したポテンシャルから由来しており、他の味わいと混ざり合うことで絶妙のバランスを生み出している。そのポテンシャルに隠れがちだが、苦味もしっかりしており、喉の奥に苦辛さを感じる。まさにイタリア語のasciuto(乾く)の表現が的確に合う。他には絶対に代わりの無い、唯一無二のワイン。
☆☆ 生産者紹介 ☆☆
アントニオ・フェッラーリは21世紀に入り彗星のごとく世に現れた、謎に満ちたワイナリーです。というのも、その際リリースされたワインは1949、1954、1959と全て古酒で、というのも最高のヴィンテージだったこれらのワインは「決して手を出さずに置いておくように」とのアントニオ・フェッラーリの遺言を守り、彼の娘が半世紀近く経た後ようやく瓶詰めリリースするに至るということで話題になりました。いずれもパッシート状になったブドウを使っているためアルコール度は高く、全てセメントタンクで長期熟成されていたので、年数の割に熟成感は控えめでした。