赤・750ml
カベルネ・ソーヴィニヨン
【2014年12月入荷】
グリオットの赤ワインは今回が最後のリリースとなります。
このワインは入荷数の約半数だけを、2018年7月に4年3ヶ月保管した後にリリースしました。入荷当時はカベルネ・ソーヴィニョン由来のハーヴィな風味やタンニンなどが強く感じられ硬さが目立ち、味わいは不安定だったためです。リリース時には不安定な要素は全くなくなり、色調は黒みがかった深い赤からややオレンジがかったガーネットへ、ハーヴィな風味からドライハーブ、ドライフラワー、ドライフルーツのコンフィチュール、たばこ、腐葉土などの様々な要素が織りなす、しなやかで奥行きの深いワインへ成長していました。入荷数の約半分に相当する900本ほどのリリースに留めた理由は、この先の熟成による一層の変化に期待感が湧いたた
めです。
あれから約1年半経過した現在、バランス良く感じられる果実味、熟成由来の柔らかさと複雑性は未だに健在ですが、全体の印象としては前回リリース時に比べ大きく変化した様子はなく相変わらず素晴らしいワインです。強いて言えばアフターに僅かに感じられたドライなタンニンが今では感じられなくなり、よりしなやかで奥行きが増したように感じま
す。
このワインは、ピークに対して7〜8合目付近まできていると、私たちは思っています。弊社でもう少し熟成させてみたい気持ちはありますが、約10年の時を経て果実味と熟成感が交差する味わいへと変化しており、この先の微妙な成長を感じることもまた大きな楽しみではないかと考えます。
ややオレンジがかったガーネット色。グラスに顔を近づけただけで感じ取れるような熟成由来の複雑さと魅力的な香りが立ち昇ります。黒や赤系のドライフルーツやイチジクのコンフィチュール、だばこやドライハーブ、ドライフラワーなど様々な香りが織り成し、それに腐葉土などの大地を想わせる素朴さが加わります。これまでの変化で柔らかさや軽やかなタッチが感じられる中でも造られた当時はかなりの凝縮感で骨格がしっかりとしパワフルな味わいだった事は容易に想像できます。口当たりは質感が滑らかで軽ささえ感じる飲み心地ながら、ドライフルーツのような凝縮したエキス感にザクロを噛んだ時のようなフレッシュな印象の酸が感じられます。みずみずしく軽いタッチの中に溢れるように旨味感や複雑で至福の時を与えるような要素が広がり、長い余韻と奥行きを感じます。