赤? 750ml
2016年の雹害でほとんどの葡萄が壊滅的状況となったジェローム・ソリニー。そんな中、黒ブドウも白ブドウもありとあらゆるブドウをかき集め、たった1つだけリリースしたキュヴェが【サクラジマ】。
滋味深くもあり妖艶でもある。か弱いようでいて芯の強さもある。まさに、自然の残酷さと偉大さを1本のボトルの中で表現しているかのような傑作だと思います。
造り手としては最悪最低の年、2016年。雹(ひょう)や病害などの影響で多くの造り手が収穫量を失いましたが、ジェローム ソリニーも例外でなく、収穫量を壊滅的なまでに失います。そんな中、黒ブドウも白ブドウも、ありとあらゆるブドウをかき集めて、たった1つだけのキュヴェを造りました。白ワインの要素も赤ワインの要素も内包したこのワインは、淡く明るい色調で、強さではなく地味深さに満ちたワインに仕上がりました。そして、彼らが選んだそのキュヴェの名前がなんと、サクラジマ!
2017年の春にはじめて来日し各地を巡ったのですが、そのなかでも特別な感情を抱いたというのが、桜島の火山だったと言います。
今なお活動を続ける火山のエネルギーを目の当たりにし、自然の雄大さを肌で感じたジェローム ソリニー。その自然は、人間の都合などお構いなしに気まぐれで、2016年のように人間を苦しめることも。しかし、それすらも雄大な時の流れのなかでは瑣末なことと、自然を敬愛し、寄り添って生きる自然派ワインの造り手として、時に人を苦しめ、時に人を感動させる自然の営みに敬意を表して、日本での思い出とともに、2016年の事実上唯一のワインをサクラジマと名付けました。
気になる味わいですが、淡く明るい色調とコケモモを思わせる優しくチャーミングな香り、じんわりと広がっていく旨味があり、それでいて構造に緩さは無く、しっかりと削げたフォーカスのあったバランス。フレッシュさと熟成感が共存しながら、多彩な表情を見せてくれるあたりは、ほぼ全ての区画の全てのブドウを混醸せざるを得なかった年ならではの特異で奇跡的なバランスです。
滋味深くもあり、妖艶でもある。か弱いようでいて、芯の強さもある。まさに、自然の残酷さと偉大さを1本のボトルの中で表現しているかのような傑作だと思います。こちらのワインも予想に反して(淡いワインとしては珍しく)、翌日であっても不安定さは無く、安心してお楽しみ頂けます。(輸入元資料より)