白・甘口・375ml
モスカート種100%
ソル2006のスペシャルヴァージョン、ソル2006“10anni(ディエチ アンニ)”。オータの記憶が確かなら、2007年秋にエツィオのところへ2回目の訪問をした際、“甘口ワインと酸化防止剤”的な話題になりました。一般的には、残糖分のあるワインに酸化防止剤を添加しないと、保管状況によっては瓶内で再醗酵したり、バクテリアが動く可能性もあるため、酸化を恐れワインとしての安定を求めるのなら、ある程度の量の酸化防止剤の添加は必須だと考えられています。エツィオがこのことに関する僕の考えを聞きたがったので、2つのワインの話をしました。
ひとつ目はラ・ビアンカーラのレチョート・リゼルヴァ1999。オータ的には、ラ・ビアンカーラ史上最強の甘口ワイン。ノーマルのレチョートは、大樽で3年熟成の後ボトリングされるのですが、1999ヴィンテージは全量をボトリングせず、一部のワインを小樽2つへと移し換え、夏場には気温の高くなるガレージのような場所で更に4年追熟させ(その間ワインの補てんも行わず…)、酸化防止剤完全無添加でボトリングしたものをリゼルヴァとしてリリースします。
ふたつ目はMr.酸化とでも呼ぶべきワイン、デ・バルトリのヴェッキオ・サンペーリ!ワインの世界で“酸化”というとネガティヴに捉えられることが多いけど、ど酸化してても美味しいワインってあるよね!の一例として挙げました。
レチョート・リゼルヴァもヴェッキオ・サンペーリのどちらも、過酷な環境で熟成させることで酸化に対する耐性を身につけたワインであるという共通項もあったりします。
そんな話をした後、エツィオは熟成中のソル2006の樽1つを指さして「じゃあ、この樽はオータさんのってことで!今後一切補てんとかもしないで、収穫から10年後の2016年にボトリングすることにしようぜ。」
225リットル入りの樽を使用しているのでハーフボトルで約600本生産できるはずなわけですが、いざボトリングしてみたら380本だったとの事…。つまり1/3以上のワインが蒸散した計算に…。
けしかけてしまった責任をとって、エツィオが売ることにした全量300本が届いております(残りの80本は彼のプライベートコレクションに…)。この瞬間、ソル06のノーマルと10anniを飲み比べているのですが、どちらもおいしいいいいいいい!
ノーマルは、香りはフルーティーではあるのですが、味わいにある種の硬さがあるのに対して、10anniは香りに果実をほとんど感じないのに、味わい的には全ての要素が継ぎ目なく主張しているのにフレッシュな酸があり…。サイコーです!(輸入元資料より)
※写真はイメージです。