赤・1,500ml
メルロ、ピノ・グリージョ
そのまま訳すと“グレー色のクロウタドリ(スズメ目ツグミ科の鳥)”となりますが、要はメルロー(MERLOt)とピノ グリージョ(pinot GRIGIO)を混醸したワインです(笑)。4ワインの中で最も品行方正といいますか、ジャンフランコ孝行な子かと。
【パーネヴィーノとルーシー・マルゴー、そしてショブルックとの合作 《パントム》 とは!?】
パーネヴィーノの2018年ヴィンテージは、春先の長雨(40日連続!)とその直後の酷暑で病気が蔓延し、その結果生産量はゼロ(!)…。そんなジャンフランコたちを経済的に支援すべく、先ほど登場したジョルジョが考えたのが、北半球とは季節が真逆の南半球オーストラリアでジャンフランコにワインを造ってもらって、その売り上げから必要経費だけを差っ引いたもの(ジョルジョ自身は一切利益を取ることなく)を全てジャンフランコに“寄付”しようというものでした。
この企画自体、当然のことながらジョルジョのジャンフランコたちを気遣う気持ちが端緒になっているのですが、実現にまでこぎつける大いなるモチベーションになったのは、「ジャンフランコがオーストラリアで醸したら、いったいどんなワインができちゃうわけ?」というジョルジョのごくごく個人的な興味だったのではとオータは推察しています。そんな無茶振り企画に快く協力してくれたのが、オーストラリアを代表する造り手のルーシー マルゴーのアントン ファン クロッパーとトム ショブルック。ブドウの手配から醸造場所&設備の提供と至れり尽くせりのおもてなしをしてくれます。
ジャンフランコは、長男にして専属のラベル デザイナーでもあるイザッコ画伯を伴い2019年3月にオーストラリア入りし、ブドウの収穫から醸造後に樽へと入れるところまでを見届けていったん帰国、イタリアでの怒涛の2019年シーズンを過ごし、11月下旬にボトリングするために再びオーストラリア舞い戻り…どちらの場所でも買いブドウでワインを仕込むだけならまだしも、サルデーニャでは農作業全般をこなしているわけで…もはや狂気の沙汰としか言えません…。
そして11月のボトリングの時は、オータもお手伝いにあがりました。
で、今回のプロジェクトについた名前ですが、PanevinoとAntonとTomをくっつけてPantom。そしてPとAの間にHを入れたら…Phantom(幽霊、幻)…(笑)。「(こんな辛い事は)もう二度とやらない!」とジャンフランコも言っていましたので、幽霊ワイナリーによる、最初で最後の企画という事になります!