白・750ml
モスカート(樹齢56年)
モスカート ビアンコ、樹齢56年。収穫後、除梗し約1か月、果皮とともに醗酵を行う。圧搾後、タンクにて約10カ月、ボトル詰め後約18か月の熟成。
「高樹齢のモスカート、収量を抑え果実の完熟を待ち、果皮・種子すべてを表現した醸造。そして十分な熟成期間を取ってからリリース。自らが出会い、愛する造り手達へのオマージュともいえるワイン。完熟すると酸を失いやすいモスカート、2021年は猛暑でありながら昼夜の気温差によってしっかりと酸を感じられる特別なヴィンテージ。彼らのワイナリー名を冠したモスカート。」
ワイナリー名を冠した、モスカートの可能性を追求したワインです。一般的に早熟でモスカート ダスティを代表とする甘口のワインに用いられることが多いモスカート。しかし収穫量を抑え、ブドウの完熟を待つことで厚みのある果皮と、タンニン豊富な種子をもった偉大さを持った白ブドウだと考えているヒロトさん。周囲の生産者に比べ 3週間以上遅く、年によっては1カ月程度遅く収穫されるモスカート。
完熟させるという時点で、カビや腐敗果も増えるのは当然。しかしブドウの房一つ一つ、手作業で丁寧な選果を行う。ある意味日本人らしさともいえる、とことん几帳面な仕事によって生み出される彼のモスカートには、香りだけでない奥行き、立体感を感じずにはいられません!
前回2020は生産量自体が少なく、すべてリゼルヴァのみのリリースという事もあり、2年振りとなるリリース。根本的に酸を残すのが難しいモスカート。しかし2021に限っては、昼夜の気温差によってブドウが完熟していても、全く酸を失う事がなかったといいます。非常に熟れた果実の香りとモスカート特有の強いアロマ、、しかし果皮や種子より豊富に抽出されたタンニンや他の要素によって、単調ではない複雑さ、、香りだけでない味わいの幅の広さ。そして全体のバランスを保つに十分な酸を持った素晴らしいクオリティを持ったヴィンテージです!
※ お一人様2本限り。
※ 写真はイメージです。
カッシーナ・リエート/Cascina Lieto
ワイナリーの当主は、日本人である佐々木 ヒロトさんと理恵さん。1997年よりイタリアに移住した彼は、ファッションや芸術だけでなく、特に歴史や伝統を重んじる心や食文化に魅了され、この土地で暮らす事を決意。イタリア生活の中で、素晴らしいワインの造り手たちとの出会いをきっかけに、これまで 20年以上に渡り、イタリアと日本をつなぐ懸け橋として活動してきました。彼が愛してきたものはイタリアの食であり伝統に結び付くワイン。しかし、それ以上に彼が尊重してきたもの、造り手達の「情熱や魂」でした。目に見えるものだけではなく、強い想いや揺るぎない意志をもった素晴らしい造り手達。彼らとの出会いこそが、彼の原動力であったといえます。
2017年、世界遺産でもあるイタリア北西部、ピエモンテ州ランゲ地方カスティリオーネ ティネッラと、その近くに合わせて 0.8ha のブドウ畑を手に入れます。ワイナリーの名前は「Lieto リエート」、幸せや喜びを意味し、共にワイン造りを行う奥様の名前も重ねた名。
収穫までに十分成熟を待ち、そして醸造から熟成、リリースまで時間を費やすことを怠らない成熟したワイン観とモノ造りの意志。本人曰く「彼ら(ダミアンやジャンマルコ)に飲ませても、恥ずかしくないワインを造らないとね。中途半端なことをしていたら怒られちゃうから、、、。」そう笑う彼には、心からの愉しみと妥協しないモノ造りの意志を感じます。まだ始まったばかりというか。むしろこれから始まる生まれたばかりのリエート。ヒロトさんと理恵さん 2人の夢とその未来を、これからも見守っていきたい、愉しみな造り手の一人です。