白・750ml ガルガーネガ
キュヴェ名のガルギは、レストラン仲間が樽から試飲した際に 「このままでも既に美味しい。こんなスリムでフレッシュなガルガネガは、レ ストランに最適だけれど、市場には不足しているね。」と指摘してくれたことから。つまり、小さくてシンプルなガルガネガだが個性がある、という意味合いです。
北向きと南向きに面した複数の区画から。標高100mの石灰質土壌。平均樹齢8年ほどの若樹の区画。9月上旬に1回目の収穫、9月末に2回目の収穫を行う。除梗後にプレス、ステンレスタンクでアルコール発酵とマロラクティック発酵を行い、ワインは澱 の上で翌年6月まで熟成。清澄、ろ過もせずに瓶詰。SO2Total25mg/L。瓶内熟成は最低3ヶ月行ってからリリース。
飲みやすく軽快なワインを目指して造られた。黄金色の外観。白い花系のフローラルな香りやグレープフルーツの様な軽快な柑橘系の香りに溢れます。果実の香りが膨らみますが、厚くなり過ぎず、あくまで軽快な感じで留まります。味わいはフレッシュな柑橘系果実と少々塩味を感じる程のミネラルに溢れます。余韻も程よくあり、ベタつくことなくスルスルと軽快な飲み口ですが、最後にほんの少しの苦みが果実の甘味と共に湧き上がり、全体を引き締めます。ガルガーネガの伝統的特徴である張りのある果実と流 線型な酸とミネラルを感じ、多彩な表現を感じることが出来ます。翌日以降も液体に不安定さはなく、問題無く飲み進めることが出来ます。(輸入元資料より)
ピアッリ/Pialli
ヴェネト州ヴィチェンツァ県バルバラーノ モッサーノ。州都であるヴェネツィアから70kmほど離れたこの町で生まれ育ったオーナーのアレッサンドロ ピアッリ。1955年に祖父、シルヴィオ トンニェッティが始めたワイン造りを継承したのは2001年のことでした。シルヴィオがワイン造りを始めた当時の栽培品種はトカイ ロッソ(現在はタイ ロッソという呼称に変わっています)、 ガルガーネガ、カベルネ、リースリング、ノア、イザベラなど多 岐にわたりました。
アレッサンドロは商業専門学校を卒業すると父が経営する会社でビールの輸入やワインの流 通に携わりました。そこが、ワインの世界をより深く知るようになるのと同時に、ワイン醸造家へ進むきっかけとなります。ある日、倉庫内での作業中フォークリフトでパレット を下ろしていると、何かの拍子でラックの3段目からワインの箱が落ちてしまいました。当然 ボトルは割れましたが、その時のワインの香りは彼にとって初めてのもので、複雑で興味を そそられるものでした。それ以来、より情熱的にワインに取り組むようになります。2000年に祖父シルヴィオが老齢のため畑仕事を止めることとなり、2001年に父フィオレンゾの勧めもありワイナリー ピアッリの冒険が始まることになりました。一人でワイン造りを始めた当初は試行錯誤の連続となりました。 しかし、収穫を重ねるごとにブドウ栽培、ワイン醸造に自信を深めていくことを実感し始めます。同時にヴェローナ大学の醸 造学部に入学、小さなワイナリーで研修する機会があったのも、彼にとっては非常に大切な経験になったと振り返ります。
ピアッリの畑がある地域はベリチ丘陵と呼ばれ、少なくとも 1億年以上かけて古代の海底に生まれた丘陵地帯となっています。化石を豊富に含む海洋性堆積物からなる土壌は、粘土質や石灰質など様々な表情を見せ、谷と交互に並ぶ傾斜した丘陵地は霧や遅霜からブドウを守ります。また、この地域は晩秋 まで特に温暖で、昼夜の温度差が大きく、年間降雨量も500〜600mmと限られており、ブドウの栽培に非常に適しています。前述した通り、シルヴィオの時代には多様な ブドウ品種を栽培していましたが、アレッサンドロはベリチ丘陵の土着品種とも言うべきガルガーネガとタイ ロッソのみを栽培、醸造することを決意しました。
ミニマリストを自称するアレッサンドロは、畑でもセラーでも 機械的および植物衛生的な介入を最小限に抑えるように努め、土壌や草地の生命を大切にしています。セラーでも当然の流れで、発酵は自然にまかされ、清澄化やろ過は行いません。すべてのワインは最小量の亜硫酸塩に抑えています。彼 自身が亜硫酸塩にアレルギーがあることも添加に注意を払う理由かもしれません。
ピアッリのオーナーとして20年以上、ワイン造りに挑戦し続けるアレッサンドロは言いま す。「気候変動は助けにならず、収穫はますます早くなり、ブドウはますます貧弱になって います。バランスのとれたはワイン造りますます難しくなるでしょう。だからこそ、真の課 題は、よりシンプルなワインの醸造にあると考えています」。(輸入元資料より)