白発泡・750ml
ピノ・ノワール
0.35haのキンメリジャン土壌ピノ・ノワール100% 、友人からビオの葡萄を購入したもので8月29日に収穫。フードルで発酵後に及び500Lの古樽で10ヶ月間熟成。その後15ヶ月間の瓶内二次発酵と熟成を経て、2022年11月9日にデゴルジュマン。ドザージュなし、残糖2g/L。亜硫酸無添加。買った葡萄についてはデブルバージュを意図的に強めに施し、酢酸エチルや揮発酸、還元の原因となる要素やトリートメントに用いた薬剤の大部分を排除することから始める。葡萄の状態次第では、これを複数回繰り返すこともある。自然発酵しない可能性については否定、2023年まで醸造しているが、常に問題なく自然発酵するとのこと。生物相の多様性を損なうことで味わいが単調になる可能性は、否定も肯定もしない。一般的には澱を残すことでグラや充実感のあるテクスチャーに加えて、味わいではナッツを想わせる風味なども得ることができるが、還元的になりやすい傾向はある。澱の大部分を抜くことで失われる要素もあるけれど単調な味わいにはならず、むしろ舌触りが滑らで繊細、クリアな味わいとなりアモリー自身はこのスタイルを好むとのこと。
ややオレンジがかった黄金色。熟した安政柑や温州みかんなどの和柑橘、りんごの蜜などの果実香に、ナッツや蜂蜜などのコク深い香り、火打石のやや芳ばしさが伺えます。口に含むと繊細な泡と赤い果実の張りのある引き締まった酸を伴い、赤い小さな野バラやフランボワーズを想わせる華やかで上品な風味が大きく膨らみます。細かな泡はエレガントな印象や軽快な様子を引き立てながら、淡雪のようにすっと溶けていきます。口中に留まる赤い果実の華やいだ風味に、みかんなどの柑橘や蜂蜜など深みやコクを与える風味が調和し、アフターには奥行きが感じられほどよい旨みが残ります。ややしっかりとした香りからのイメージよりも、口中では涼やかでフレッシュ感のある飲み心地で、ピノ・ノワールの上品さや可憐な印象が感じられる辛口の仕上がりです。(輸入元資料より)
【アモリー・ボーフォール/Amaury Beaufort】
アモリーはシャンパーニュ地方でビオディナミ農法を実践した先駆者として知られる老舗ドメーヌで知られるアンドレ・ボーフォールの孫で、2018年から自身のドメーヌを持ち家族とは別にシャンパーニュを造っています。10代の頃から父ジャックが率いるドメーヌで畑仕事を手伝い、その後本格的なワイン造りに関しては20代前半の時期(2003年から2008年までの5年間)に従業員として携わりました。
しかし造りたいワインのスタイルが明確であり、それが父のスタイルとは全く異なっていたことから、2000年代後半に独立します。最初のドメーヌは北ブルゴーニュ(シャブリ、トネールエリア)に持ち、10年にわたりナチュラルワイン造っていました。合計で15年の経験を積み、2018年にシャンパーニュ地方南部のバル・シュル・セーヌで生産者として二度目のスタートを切りました。父親から受け継いだ畑の区画面積は0.88haのみですが、土壌は1971年以降一切の除草剤や化学肥料を使われていない素晴らしい状態のものです。
「区画面積はとても小さいけれど、一般的には見過ごしがちな区画特有の細かい要素に注意を払う事ができ、それらが葡萄にどのような影響を及ぼすのか観察できる点が、私にとってとても大切です。」と彼は話します。畑では雑草を排除せず、トリートメントも常に必要最低限に抑え、夏には高く生えた枝と葉も切り落とさずにトレサージュ(編む作業)を行う事でブドウの実に影を作り過度な日射しから守るなど、様々な工夫が施されています。
醸造は至ってシンプルで亜硫酸(SO2)を含む添加物は使いません。これはシャンパーニュ地方では非常に珍しいケースで、ワインの味わいがよりピュアに仕上がります。(*2021年のみプレス時にSO2を10mg/L使用:悪天候で葡萄の健康状態が理想的ではなかったため)発酵及び熟成期間中は液体の動きが活発なフードルと、その反対に活発ではない樽のそれぞれの利点を活かし、タイミングを見てそれぞれのワインを入れ替えます。
ジャルディノの素晴らしい土壌と豊富な経験、優しくて堅実なアモリーのワインには、共通して突き抜けるように強い酸とミネラルがありますが、この特徴に加えて繊細な泡とピュアな味わいにとても魅力を感じます。正確で主張が少なく、優しささえも伺えるシャンパーニュ。そんな彼の人柄が、きっと一杯のグラスから伝わってくることでしょう。(輸入元資料より)