白微発泡・750ml
リースリング、ミュラー・トゥルガウ、ショイレーベ
リースリングのダイレクトプレスジュースに、全房のミュラー・トゥルガウとショイレーベを加えて1週間マセラシオン。2022年秋、ステンレスタンクでの発酵途中に瓶詰めして、その後は辛口になるまで瓶内で発酵と熟成。2023年4月にデゴルジュマン。
薄濁りの中程度の黄色。レモンや晩柑などの黄柑橘を皮ごと搾ったような果実香に、レモンバーベナの爽やかなハーブの香り、にわとこの花を想わせる優しく甘やかな香りが加わります。弾むような細かな泡が溌剌とした印象や軽快感を掻き立てながら、清涼感溢れる果実味を口中へと誘います。ふっくらと口中を満たすように膨らみ、スッと馴染むようにガスが消えるとともに、旨味感たっぷりで小気味良い酸が絡み合うフルーティーな風味が留まります。アフターにかけて柑橘ピールや内皮のほろ苦さ、仄かにミルキーな風味が現れ、全体を引き締めながらもまろやかな印象が残ります。(輸入元資料より)
【クラウディウ・デュメア/Claudiu Dumea】
フランクフルトから南西に約1時間半下ったエリア、ファルツ地方で2019年から醸造家としてワイン造りをしているクラウディウ・デュメア。以前からフランクフルトでワインバーを経営すると同時にワイン醸造に興味を抱いていたクラウディウは、ある日そこでワイン生産を家業とするハネス・ベルグドルと出会います。ハネスが所有する畑は標高約300mの丘に位置し、森が一面に広がる南側に面しています。その森に生息する鳥や小動物、通年畑へ吹き込む風など、この自然環境と共存する美しい畑に一目惚れしたクラウディウは、ハネスとパートナーシップを組み醸造家としての活動を始めます。
クラウディウのワインの特徴は”ドリンカビリティ(Drinkability)” = ”飲み心地の良さ”にあります。彼曰く、これは石灰質土壌と赤土土壌から構成されるテロワール由来のものだと話します。石灰質土壌はワインに塩味や硬質なミネラル感を与え、アルザスで良く見られる花崗岩土壌の赤土はミネラル感に加えて強い酸味を与える傾向にある。一般的な粘土質土壌と比べ、この2種類の土壌は痩せた性質であるため多くのドイツ系品種が有するアロマティックな部分が抑えられ、ワインの骨格が立ちやすくなる特徴も有する。この土壌性質に加え、通年森から畑へ吹き込む涼しい風も彼のワインに冷涼感を与える一つの大切な要素であると彼は話します。
醸造では「葡萄果汁が野生酵母の働きによりただ発酵しただけのピュアなワインを造る事」を大前提として全ての添加物を一切使用せず完全なサンスフルで醸造しており、ワインは飲み物として常に飲みやすく、安定しているべきだと考えます。そのため、彼はワインを意図的に還元的に造ります。還元は一般的にワインのボディを引き締め、移動の際に状態を崩しにくくして耐久性を上げる二つの効果があるためです。彼のワインは全体を通して石や岩塩を舐めているかの様な印象を与えるミネラリティ、区画によっては海水などの風味も伺え、アタックからフィニッシュまで細く長いレーザービームを想わせる突き抜けるような酸味が特徴的です。彼のワインの大半は複数のヴィンテージと品種がブレンドされており、この点においては、ヴィンテージの特徴をそのまま表現することを好む多くのフランス人生産者とは異なります。近年、地球温暖化が著しく進んでおり、冷涼感が特徴的なヨーロッパ北部のドイツでさえワイン造りに難しさを覚えるようなヴィンテージが増えてきています。彼にとってワインは単なる飲み物、それ以上でも以下でもないため、それぞれのヴィンテージの特徴をありのまま表現する事よりも、ドリンカビリティが確保された上で安定したサンスフルワインを造る事を最大の目的とします。そのため各ヴィンテージのブレンド比率は非常にデリケートな試行錯誤を重ねた上で決められます。(輸入元資料より)