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ルイジ・バウダーナ
Luigi Baudana ルイージ・バウダーナ
1975年に設立されたセッラルンガの重要な造り手の1人、ルイジ・バウダーナ。バウダーナ畑に昔から土地を持つ小さな造り手ですが、セッラルンガの重要な畑を所有しています。
『セッラルンガの土壌はバウダーナとチェレッタで大きく2つの年代に分かれている。セッラルンガらしいマンガンの豊富なチェレッタとシルト土壌で軽いバウダーナ』だ。その畑とカンティーナをヴァイラが継承したのが2009年。人気のヴァイラ家がセッラルンガに進出したニュースはバローロの造り手の間でも大きな驚きでした。『高齢で跡継ぎがいなかったルイジ・バウダーナの畑とカンティーナを引き継ぎ、セッラルンガでのワイン造りを開始した。醸造もバウダーナの古いカンティーナをそのまま使用している』。畑はエリオ・アルターレ、ジャコモ・コンテルノも所有し、近年注目を集める「チェレッタ」。そしてチェレッタの西隣で代名詞的存在「バウダーナ」を含めて2.6ha。『バローロで最も小さな造り手の 1つだったルイジ・バウダーナ。2009年にヴァイラが引き継いたが、アルドはルイジに敬意を表しカンティーナ名を残す事に決めた』。こうして歴史的造り手、ルイジ・バウダーナの畑は守られ、名前は継続され、ヴァイラの正確で丁寧なワイン造りで更に進化を遂げる事になりました。
元々、ルイジ・バウダーナのワインは熟成にバリックを使用していて、少し凝縮度が高く、粘度のあるワインでしたが、ヴァイラが引き継いだ事で一気にスタイルを変えます。『個性が強い素晴らしい畑を所有しているのだから、その個性を際立たせる事が醸造家にとって最も重要な仕事。バリックも過度な抽出も必要ない』
以前のワインよりも畑の個性が素直に感じられるように変化。バウダーナは広がりがあり、柔らかく女性的。チェレッタは力強く凝縮し、美しい酸が引き締めます。更に、ヴァイラでも採用しているサマージュ・ド・キャップを導入。葡萄の本質だけを得て、粗いタンニンや過度な収斂味を抽出しない事で、より素直な美味しさを目指します。
『以前はピシャージュで果皮を沈めていましたが、これでは果皮を刺激し過ぎてしまう。ルモンタージュはモストを動かし過ぎるのでワインが疲れてしまう』。サマージュ・ド・キャップは果皮をネットに入れて常に沈めておく手法。果皮を動かして刺激しないので、粗いタンニンや雑味を抽出する事がなくなります。
『発酵時に発生する二酸化炭素の気泡が、沈んでいる果皮を優しく刺激する事で質の高いタンニンと旨味を果皮から抽出。色調は薄くなるが畑の個性は最大化できる』。バローロで最も繊細で軽いブリッコ・デレ・ヴィオーレ最高の造り手がセッラルンガを代表する力強いチェレッタを取得。ヴァイラが醸すセッラルンガは大注目です。