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バルトロ・マスカレッロ
Bartolo Mascarello バルトロ・マスカレッロ
バルトロ・マスカレッロは、ランゲ地方のみならずイタリアのワイン界の中でもカリスマ的な個性を放つ1人であったが2004年に夭逝。娘のマリアテレーザは父の教えの通り、バローロの伝統的なスタイルにこだわり続けている。
カンヌビ、サン・ロレンツォ、ルーエにロッケという4つの異なる特性を持つクリュで収穫されたネッビオーロを混醸し、単一のバローロを造る。厳選されたブドウ、長期間のマセレーションと大樽による熟成を経た彼らのバローロは、長期熟成に耐えうる酒躯を持つに至る。
ドルチェットには一次醗酵後、ネッビオーロのヴィナッチャでリッパソを行い、ドルチェットに欠ける要素を補うという伝統的な手法をいまだに採用している。《輸入元資料より》
バルトロの祖父バルトロメオ・マスカレッロから、父ジュリオ、バルトロ、そして娘マリアテレーザと4世代に受け継がれてきたワイナリー。その中でもバルトロ・マスカレッロは、ランゲ地方のみならずイタリアワイン界の中でもカリスマ的な個性を放つ一人。バローロの造り手として頑なまでの伝統主義者で、父から引き継いだ職人の仕事をそのスタイルを変えることなく、可能な限り改良を加え洗練を与えてきました。厳選されたブドウ、長期間のマセレーションと大樽による熟成を経た彼のバローロは、「(年数を)もたなければバローロでない。」という言葉通り、長期熟成に耐えうる酒躯を持つに至っています。
誤解を恐れず言わせていただきますが、バルトロ本人が造っていた時代のバローロと、娘のマリアテレーザが造るバローロ、僕的にはマリアテレーザのほうがワインとしての高みに達している気がしてます。ヴィンテージごとの個性をある程度把握しての比較だとしても、タイムマシンでもない限り、平たく比較できないことは承知の上で、前々から思っていました。バルトロのワインは洗練されすぎているのに対し、テレーザのワインはエレガントであると同時に、ふくよかさというかブドウの強さ(ルスティックさともいえるかもしれません)も内包しているというかなんと言うか・・・。バルトロは清澄をしっかり行っていたようなのですが、テレーザは年によっては全くしないようで、それも原因のひとつなのではと僕は思っています。
偉大な先代をもった2代目は先代の恩恵にあずかれる事もあれば、その呪縛にから逃れることが難しかったり・・・、なんてことはどの世界でもあることだと思います。これは2代目、本人だけの問題ではなく、周りの人間の見方にも問題があったりするようです。偉大な先代と並び立つためには先代以上の仕事をしないといけない。伝統を受け継ぐ、ということが先人のやってきたことを盲従してやり続けるだけだとしたら、それは単に”守り”に入っているだけで、やがて閉塞してゆくだけなのだと思います。先人がやっていたことを一つ一つ疑問に思い、検証し、より良い解決方法があると思うのなら、軌道修正もする、これが正しい伝統の受け継ぎ方なんじゃないでしょうか。
13年前に訪ねた、某有名な改革派と呼ばれているバローロの造り手の家の額に、”伝統とは成功を収めた革新のことである”という文章が飾ってあったのを今でも良く覚えています。革新派が使っても伝統派が使ってもしっくりする、面白い言葉ですよね。(2016.11.29、輸入元案内より抜粋)
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