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ボルガッタ
Borgatta ボルガッタ
僕たちがブドウ品種の特徴だと信じているものの多くは、「ブドウ品種+土地」、つまりとある土壌、微気候、環境下に置かれたブドウが表現したもので、ブドウだけに由来するものではない、と僕は考えています。例えばピノ・ノワールというと、やはりブルゴーニュを基準にその特徴を考えるわけですが、弊社取扱いのアルベルト・アングイッソラのピノ・ネーロなどは、ブルゴーニュのピノとは似ても似つかない表情を持っていたりしますし、バローロ&バルバレスコのゾーンのネッビオーロとヴァルテッリーナのネッビオーロ(キアヴェンナスカ)では、本当に同じブドウなの?とでも言いたくなるくらい香り、タンニンの質、味わいに差があったりします。
ドルチェットという品種にとって、ドリアーニとオヴァーダという2つのゾーンとのセッションは、化学変化に富んだ刺激的なものなのではないでしょうか。ドリアーニは、咀嚼しなければいけないくらいのタンニンと圧倒的果実味を備えた血気盛んなドルチェットを生み、若飲みというイメージのドルチェットにあって、そのやんちゃさが収まるのに長い熟成を必要とし、オヴァーダは、ドリアーニのように強い打ち出しはないのですが、静謐な雰囲気の中に確固たる信念を秘めているかのような、非常にネッビオーロ然した(もちろん、“ごく一部の”ネッビオーロを髣髴させるという意味で、です)ワインを産する土地です。オヴァーダのドルチェットに関して、そういった認識を僕たちに与えてくれた造り手が、ジュゼッペ ラット翁であることは異論をはさむ余地が全くないと思います。家族のフォローを受けられずに、最後は廃業という形でワイナリーを閉める事となり、現在は擁護施設に収容されているという話を聞きました…。晩年の彼のワインには、樽のバクテリア汚染に由来した危険な雰囲気(笑)のものもありましたが、1991のオリーヴェなどは本当に凄かった…。
明確にイメージしていたわけではないのですが、いつかあんなドルチェットにまた出会いたいなぁと思っていたら、本当に出会ってしまいました(笑)。ワイナリーの名前はカシーナ・ボルガッタ、1948年創業の、奥さんのマリアルイーザが父親から相続したワイナリーで、現在は夫エミリオと共に営まれています。もともと薬剤に頼らない農業を実践してきたのですが、エミリオに畑&セラーでの仕事や哲学に関してもっとも影響を与えたのが、隣人だったジュゼッペ ラットだという…初めて彼らのドルチェットを飲んだ時、真っ先にラットのことを思い出したのは決して的外れじゃなかったことを後から知りました。師匠同様に商売が下手なのか(笑)、在庫がいろいろあるようでしたので、古いヴィンテージから各個撃破することにしました。セメントないしステンレスタンク醗酵で、セメントタンクで2年熟成させた後にボトリングしたドルチェット09と、同じく09ヴィンテージなのですが、醗酵後に使い古しのバリックで1年寝かせてからボトリングしたものと2種類届いています。あと樹齢50年超のバルベーラの2007も届いています。またしても、この価格帯に反則級のワインがエントリーです!!!!(輸入元資料より)