一般的なイタリア人のイメージと真逆で、生真面目でソフト、穏やかな物腰のフラヴィオ・ボルトロッティが運営するのがボルトロッティです。大学では統計学の学位を取り、農業とは全く関係のない道に進もうとしていたフラヴィオですが、両親が今の農園を購入したことがきっかけでワイン造りに関わるようになりました。
ボローニャ近郊で最も葡萄作りに適した土地として1000年前の文献にもその名が記されているゾーラプレドーザの丘陵地帯という恵まれた環境の中、将来を見据えてフラヴィオが中心となって1992年からオーガニック栽培を始め、2年前からビオディナミを実践し始めました。
素晴らしさの秘密はとにかく丹精をこめて作り上げた葡萄の良さにつきます。必要以上の手間をかけず、ひたすら自然にまかせた醸造。ピニョレットは白葡萄なのに果皮が厚く非常にデリケートな葡萄で、イタリアではウンブリアのグレケット、フリウリのリボッラに近い品種。仕上がったワインは果実味が濃く旨みがぎっしりと詰まっています。
「自然な造りで、誰が飲んでも美味しく、気軽に買える価格のワインを造る」がモットー。いわゆるビオ臭の全くない美味しい自然派。美味しさの秘密は,健康なブドウ栽培・ワイン造りにおいては必要以上の手間をかけず、ひたすら自然に任せること。最新設備など何一つないシンプルな蔵を見るたびに「美味しいワインは良いブドウから」という当たり前な事を改めて思い出させます。
マリア・ボルトロッティがあるのはイタリア エミリア・ロマーニャ州の中でも東端のコッリ・ボロネージ。彼のぶどう畑があるゾーラ・プレドーザの丘陵地帯はその付近で最もぶどう造りに適した土地として1000年前の文献にも名前が記載されていた。コッリ・ボロネージは80000haほどの広大な産地だが、本当に自然な造りをしているのは10蔵ほどと言われている。
当主のフラヴィオ・ボルトロッティは1965年生まれの53歳。将来を見据えたフラヴィオが中心となり、1992年からオーガニック栽培を開始、間もなくビオディナミコも開始。自然な造りがモットーで、誰が飲んでも美味しく気軽に買える価格のワインを造ろうと日々邁進している。
例えばバルベラが植わっている畑は、何万年も太陽を浴び続けている古い赤土粘土質(石灰分は少ない)で川の氾濫などによる侵食の影響を全く受けていない土地。緩やかな斜面の為、地表面も流されることがない。石灰質が少ない利点は根っこが地中深くまで伸びやすい。欠点は香りが出にくいと言われているが、ビオディナミコをすることでぶどう以外の要素もすべて吸収できるので、 土壌に関係なく色々な香りがでる。
粘土質は、ワインが厚ぼったくなるのが特徴で、理論上は、粘土質では水が中々地中に入り込まない。しかし、この畑は、大まかに土を掘り返し水が入りやすい環境を作っていることで、しっかりとしたアルコールのワインだが、涼しさ、フレッシュ感が出る。研究に研究を重ね、水がぶどうの根にいくようにしている。
そうしなければただの厚ぼったいワインになるだろう。また、マメ科、イネ科の植物は根を深く下ろすので、根を通して水分が下まで届くような工夫も凝らしている
醸造設備はいたってシンプル。これだけ??と思うほど最先端のマシンとは縁遠いワイナリー。フラヴィオ氏は、最先端の機械も複雑な醸造方法も知っているが自身は好まないので使わない。シンプルな作りが心情で、酵母は全て天然酵母。発酵の際にSO2を全く入れないとは言い切れない。非常に悪い年、カビが見受けられた年(2009年)だけは微量加えた。
そもそも、酵母が活動すると必ずSO2は生まれる。SO2無添加のワインはイタリアにも存在する。そういうワインは本当にSO2無添加かもしれないが、ビタミンC添加、天然酵母を使用している訳ではない。
発酵中の温度管理は一切しないが、澱引きをし(タンクを移しかえる)温度を下げる。フィルターは基本的にかけない。コンセプトはワインに手をかけないといこと。説明することが無いと本人が言うほどシンプルなワイナリー。
鉄分が多いため、ぶどうにタンニンが生まれ、しっかりとした骨格を作り出す。タンニンのおかげで長期熟成に向くワインとなる。SO2添加量が少ないためぶどう中に含まれいるタンニンが酸化し、白ワインでも色が濃くなる。白にも同様にボディが生まれ、しっかりとしたワインになる。草を生やしていることで強いだけではない全体的に調和するタンニンをワインにもたらす。どのワインにも共通する旨みは地表に草が生え、土が生きているからだ。