Bressan ブレッサン
一、人の手によるブドウ株の選定と、在来品種の優先的使用
(クローンやいかなる形式でも遺伝子組み換 え有機体の使用を禁止)
一、芽かきや剪定は完全手作業
一、化学合成物質を使用しない、人の手によるブドウ栽培。
ブドウの樹と自然のサイクルの尊重。
(除草剤、乾燥剤、殺虫剤の完全不使用)
一、野菜からの堆肥、厩肥などの自然な肥料のみ使用。
またはまったく未使用。
一、灌漑の禁止
(水は過去、常にワインのあふれる芳香と濃厚さを希釈してしまった
ということがわかっているので)
一、完璧に健康で熟成したブドウのみを得るため、収穫は手作業
(未成熟果の収穫防止)
一、ブドウの果皮に付着している天然酵母の働きによる発酵。
人工的に化学合成された酵母の完全不使用
一、亜硫酸塩をはじめ他の添加物、化学物質のマストへの無添加
(亜硫酸塩はボトリングの際ほんの少量 加えられるのみ
、
どんな場合でも有機認証の規定値より少ないか同量)
一、天然もしくは化学的な芳香剤の使用禁止
一、ワインは自身が生み出した“素晴らしい澱”の上で瓶詰め時まで熟成
一、無濾過(濾過はどんな場合でもワインを殺菌し味わいを貧困にする要因)
一、コルク栓のみを使用。
精密な天然コルクに限定することで、ワインの最良の友となる
時間(熟成期間)を手に入れることが可能
..といった、とある認証取得の“オーガニック・ワイン”以上に厳しい戒律(と言って語弊がないと思われます)を順守しながら、誠実な畑仕事、伝統的で理に適った醸造を行い、土地に根差した「本物のワイン」造りを実践する造り手です。情報量が充実の自社サイト(日本語有り)もぜひご一読下さい!
これは!という造り手に出会わない限り、新しい造り手はやらない!と宣言して2年、ドメーヌ・ド・ミロワールに引き続き、またしても現れましたぁ!!!!
昨春イタリアに行った際、非常にタイトなスケジュールの関係上、フリウリには2日半で6生産者を周る鬼スケジュールになっていたのですが、訪問先の1つである、お節介焼かせたらフリウリでも有数のダーリオ・プリンチッチが、「ヒサト、訪ねてもらいたい造り手がいるんだけど…。ブレッサンてやつなんだけど、ワインは文句なしに美味しいからさ。とにかくヒサトと知り合いになりたいって言っていて…。ほんと、訪ねてくれるだけでいいんだ。」と、半ば強引に訪問することに。もともとFacebook上では友達だったこともあり、そのいかつい風体、歯に衣着せぬ発言等は知っていたので、それ相応の覚悟をして行ったつもりだったのですが…想像以上の男でした。
アーミー(もしくは狩猟)系の服装に身を包み、常に咥えタバコ、自然に対する敬意に欠ける農業&醸造を行う近代醸造界に対しての苦言を呈する際は、センテンス間にイタリア語界に存在するありとあらゆるスラングが織り交ぜられ…まさに怒れる熊のような男でした…。最近では、政治的な発言をしたつもりが人種差別的な発言と捉えられてFBで大炎上したりと、トラブルには事欠きません。ここ日本では、発言が過激だと言われている僕がドン引きするくらいですから、その凄さは容易に想像いただけるかと。こう書くと、どえらいファンキーなワインを造るように思われるかもしれませんが、会話の流れから、こんなことも言っていました。「俺にとっての最大の敵は、もはや(ありとあらゆるテクノロジーを駆使する)大手などではなく、むしろ“自然派”を語り、俺からしたら受け入れがたい醸造学的欠陥を持ったワインを、消費者に“ナチュラルに造られたワインだから”と言い訳しながらワインを売っている、“エセ自然派生産者”なのかもしれない。」
この彼の発言の通り、彼のワインは、あくまでもナチュラルな手段を用いて造られているのですが、醸造する過程での数々の“しない”にも科学的根拠、熟慮が払われている事が容易に想像のつく、全く破綻のない端正なものばかりでした(まるで彼の奥さんのように…美女と野獣を地で行くコンビです)。
訪問の最中、僕的には受け入れ難い、幾つかの発言にはきつい反論をし、激論を繰り広げたにもかかわらず、僕の帰国を見計らうかのようなタイミングですぐにメールをくれ、「(新しい造り手との取引にそれほど積極的でないという)事情があることを聞いた上でも、君にうちのワインを扱ってもらいたいという気持ちを隠すことはとてもできない。とはいえ、仮に答えがNoだったとしても、友達として、フリウリに来た時には是非訪ねに来てもらいたい!」
ワインも素晴らしくて、ここまで期待してもらえるのなら、やらない理由はない!ということで、9アイテムを少量ずつ入れてみました。ヴィナイオータのラインナップに存在しない、ピニョーロ、スキオペッティーノ、ヴェルドゥッツオ(甘口ではありません!)、モスカートローザで造るロゼワイン、ローザアンティーコ、この地域の伝統的なセパージュ、リボッラ&フリウラーノ&マルヴァジーアで造られるカラット などなど、どれも本当に素晴らしいワインです。初回ということもあり、それぞれ120-180本ほどの入荷となりますので、すぐなくなってしまう可能性もあるかと。是非是非お試しくださいね!!ワイナリーの説明文なのですが、彼らのサイトに日本語のページがありまして、そりゃもう徹頭徹尾彼らの理念、想いが書き綴られていますので、ここでは割愛させていただきます。是非一度ご覧になってみてください!(輸入元案内より)