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ローズィ・エウジェニオ
Rosi Engenio ローズィ・エウジェニオ
これまで続けてきた途方もない実践と検証。そして導き出された最適かつ最小限の介入。エウジェニオのすべては、数えきれない実験の元に成り立つといっても過言ではない。
トレントの南、ロヴェレート近郊の町ヴォラーノ。スプマンテの生産やマルツェミーノを代表として昔から盛んに栽培・醸造が行われてきた土地。とはいうものの、基本的にはスフーゾ(量り売り)の文化であり、多産に適したペルゴラ仕立てのブドウ棚の風景が良く似合う土地。
父のブドウ作りが彼にとってのスタート、そして醸造家としての道を選ぶ。いかに的確に、効率よく、合理的に、、、そのような言葉ばかりの醸造から解放されるきっかけとなったものは、土地の適性、ブドウ樹の計り知れない可能性を自ら体験したこと。畑は大小10か所以上に点在し、マルツェミーノをはじめとし、カベルネやメルロー、ノズィオーラ、ピノ ビアンコ、シャルドネ等を栽培。しかしそれぞれの畑は細かく寸断され、合わせてもわずか6haにしか過ぎない。畑の土壌は、この地域全般に言える砂質、粘土質土壌、標高 750mにある Barassa の畑(シャルドネ)やノジオーラ、ピノ ビアンコの畑は、細かく砕かれた石灰岩が多く含まれており、非常にミネラルに富んでいる。標高の高さや 痩せて岩石の多い特徴が似ていることから「Piccolo Dolomiti」(小さなドロミテ渓谷)と呼ばれている。
栽培に関しては完全に無肥料にて栽培を行い、使用しているのは極少量の銅と硫黄物(特に銅は6月初めまでしか使っていない)、そして天然由来のハーブやエキス類を粘土と攪拌した調合剤を散布。ほとんどの畑が、農薬などの使用が始まる以前に放棄された土地であることから、一切の薬品類の残留がない土地であること、そして手つかずの森林に囲まれ、複雑な生物環境が保たれていることは、彼の考える栽培に欠かせない要素の一つである。
土地の安定、ブドウ樹それぞれの栽培の安定、畑で起きる目覚ましい成長は、エウジェニオの価値観に多大な影響を与えることとなった。カンティーナでの 作業ではどうすることもできないほどの果実の熟成、樹の健全化は、彼の膨大な経験を凌駕し、新たなる一歩を踏み出させることとなった。
醸造に関して、、、、エウジェニオの考える、そして思いつくほとんどの行為に対して、数えきれないほどの実践と考察を続けてきた、それは異常とも言っていいほど、、、。それほど彼の探究心に終わりはない。(輸入元資料より)