Il Vei イル・ヴェイ
地元だけで消費されている素朴なデイリー!
写真がブラギエリ一家。素朴でシンプルな生活を営み、信じられないほど良心的な価格で安全で美味しいワインを提供してくれる彼らの人柄は、ワインからも感じられる。
《以下2007年初入荷時の店長コメント》
1.5リットルでもこの価格。文句あるか?的美味さです。いえ、ないです。ホント。
ココのワインはけっして感動するとか、むちゃくちゃ美味しいと絶賛されたりとかするようなワインではありません。「あら、悪くないじゃない、コレ」的にかる〜く流されちゃう感じです。みんなで飲んでも、誰にも名前を控えられたり携帯で写真を撮られたりしないような地味な存在かもしれません。でも、味わいは自然。気取ったところゼロ。飲みやすい。食事と一緒にがんがんいけちゃう。
畑では有機栽培、セラーでも野生酵母のみの発酵にボトリング時には酸化防止剤無添加。でも自然派です、なんて名乗るような主張もなし。…とことん非営利的である。マグナム瓶でこの値段ですよ。フツーに美味しかったらえらいと思いませんか?
実はこのワイナリーを輸入元に紹介したのはわたしなんです。それこそ「この値段なら悪くないでしょう?」と。
イル・ヴェイはまったくの偶然に、クリティカル・ワインというヴェロネッリが主催する小さなヴィニタリーのようなイベントの地方巡業のようなものにビアンカーラのアンジョリーノ先生を誘って出かけた際発見。そのイベントがまたどうしようもなく非営利的で、ヒッピーな格好をした青年たちがレゲエの音楽をバックにかなり手づくりちっくな会場設備の中、「手づくりピザ」だの「手づくりジャム」だのをてんでんばらばらに売っている。会場のそこここから「資本主義反対」的ムードがむんむん漂ってくる。かなり左な雰囲気だ。
アンジョリーノと顔を見合わせ「完全に場所を間違えた」と落胆。まずもってロクな成果はないだろうと思っていたが、一応一通りワインのブースへ。さくさくさくさく試飲をすすめ、ひとつだけ「お」とひっかかったのがココ。実は試飲をする前から、わたしはココで立ち止まってしまった。サヴィーノというオーナーの男性が、農作業からそのままかけつけたという格好でワインをプラスチックのコップにサーヴィスしていたのだが、そのたたずまいになんともいえない誠実さを感じてしまったのだ。
わたしとアンジョリーノが「試飲させてください」というと、「本当は今は試飲に適した時期ではないんだけれども…」とだけいい、黙ってワインを注いでくれた。手が恐ろしくごつく、荒れている。ぶどうの品種を言ってくれる以外、全く何の説明もしてくれない。けれどもわたしもアンジョリーノも、そのワインに余計な手が加えられていないことだけはすぐにわかった。アンジョリーノが畑でのことについていくつか質問している。有機農法をずいぶん長い間実践してきているらしい。話しぶりからだけでも、ものすごく真面目で良心的な生産者であることが伝わってきた。そして恐ろしいほどに澄み切った目。全く私欲がないのではと疑ってしまうような、清廉潔白そのものといったまっすぐなまなざし。今テイスティングするべきではない、といわれたワインしか飲んだことがないくせに、このひとは間違いないと思ってしまった。
耳を疑うほどの値段を聞いてからは、なおのこと。
こういうフツウに美味しくて、ケミカルでないワインがもっとフツウに飲めるようになればいいのに〜〜〜と常日頃思っていたので輸入されるようになって本当に嬉しい。 (2007年2月のメルマガより抜粋)
《以下輸入元資料より》
ピアチェンツァ郊外、ルレッタ渓谷にあるピオッツァーノという小さな村にある、ブラギエリ夫妻によって営まれるワイナリー。始めた当初1ヘクタールだった畑は現在8ヘクタールあり、ボルドー液以外の農薬を一切用いない有機農法を実践。
ワイナリーでもブドウのプレス時に若干量の2酸化硫黄を使うのみ。この地域で生産されるワインも伝統的には、オルトレポーやコッリ ディ パルマ同様に微発泡で、糖分も酵母も一切添加せずに微細な瓶内2次醗酵を行わせるために、ボトリング時には2酸化硫黄を一切添加しない。
生産量の大半をワイナリーで量り売りし、リクエストのあった分だけをボトルに入れて販売している。