Stephano Legnani ステーファノ・レニャー二
ステーファノ・レニャー二氏はリグーリア州ラ・スペツィア、リグリア海に面したアペニン山脈のふもとにあり、サルザーナから 5kmほどの丘にある町、アルコラにたった1ha の畑でヴェルメンティーノのみを、わが子のよ うに大切に、情熱と愛情をこめて、ビオディナミ農法で栽培しています。
レニャー二氏はボローニャ大学で農業を学んだ後、保険関係の仕事をしていましたが、何十年もの間、ぶどう畑と醸造に強い興味と想いを持っていました。念願かなって 2004 年、妻のモニカさんの家系が所有する畑1ha にてヴェルメンティーノの栽培を始めることができました。レニャー二氏ひとりで畑、醸造、すべて行っています。
幸運にもレニャー二氏は、アンジョリーノ・マウレ氏が運営する VIN NATUR のグループの生産者達とつながりがあり、栽培、醸造において多くの情報をもらうことができました。
そのため、彼の畑はもちろん、ビオディナミ農法を用いています。年間をとおして、畑ではごくわずかの銅と、必要最低限の硫黄しか使用しません。
最初の年(2007 年)に収穫できたぶどうは 4kg のみ。2009 年には 20kg になりました。しかし、2010 年にはベト病が発生し、カゴ9つ分のぶどうしか収穫できませんでした。
土壌は、非常にミネラルを豊富に含んだ粘土質砂質土壌で、白い岩がごろごろと混じっています。レニャー二氏の醸造方法は非常にシンプル です。収穫後すぐに圧搾し、皮と共に5日間マセラシオンを行います。多くても1回のみ樽のデキャンタを行いますが、温度調節、清澄およびフィ ルターは一切行いません。もちろん、二酸化硫黄の添加はごくごくわずか、というのが彼のポリシーです。
‘Ponte di Toi’という名前はアルコラの町に昔あった橋の名前に由来しています。エリアとしては Colli di Luni Vermentino DOC または Liguria IGT に該当しますが、それらの規定ではフィルターやマセラシオンにおいて制限があり、彼がもとめるワインからかい離していたため、‘Vino Bianco(VdT)’としました。
そして、2012 年、幸運にも 50 年以上の樹齢でビオディナミ農法で栽培している素晴らしい畑に出会いました。ロンバルディア州、マントヴァにある、San Giovanni del Dosso というポー川近くの町で、長年、協同組合にぶどうを売っていた1ha の平地の畑です。
粘土質土壌のその畑では、トレッビアーノ・マントヴァーノを栽培しています。
2012 年、‘Ponte di Toi’と同じ醸造方法にて‘TAFON’というワインを造り、素晴らしい出来となりました。‘TAFON’とはサルザーナの方言で「ビンタ」という意味。
なぜ「ビンタ」か。
ステファノ曰く「チャンスがあるのに自分の夢を追いかけない人に「ビンタ」したい。 このような素晴らしい品種に自ら目をそむけている人に「ビンタ」したい。 有名な品種、エリアばかりに目を向け、より重要なその土地ならではの品種、ワインに 目をそむけている人に「ビンタ」したい。 このトレッビアーノはマントヴァの貧しい平地で50年間生き延びてきたんだ!このTAFONを飲んで、多くの人の目が覚めることを祈っている」