Santa Maria サンタ・マリーア
ベルガモ出身のマリーノとルイザ夫婦が1989年にモンタルチーノに定年後の住処として購入した小さな農園。マリーノはコンピューターのプログラマー、ルイザはフレッシュパスタの店を3軒経営していたという、ワイン造りに関しては門外漢のふたり。当初はまったくワイン造りをする予定はなく静かな田舎暮らしをする気でいたところを、ある日おとぎ話のようなきっかけからワイン造りの道へはまりこむことになる。
庭の栗の木にからまるツタをひっぱってみると、雑草に埋もれた古いブドウ畑にたどりついたのだ。通常ブルネロの認定地区でブドウを栽培するのには高額な権利金と複雑な手続きを要求されるところを、まったくの偶然からそのチャンスを手にしてしまったルイーザとマリーノ。
これは神様がブドウを育てなさい、と言っているのだとワイン造りに挑戦することに。以来体当たりでブドウ畑で格闘してきたが、「これこそ天職。放っておかれたら何日でも畑にいられる。最も落ち着く場所。」とマリーノはすっかり畑の魅力にとり憑かれたようだ。
たった1,5ヘクタールの畑から素晴らしいブルネロを造りだしているが、ほとんどがマリーノひとりの手作業によるもの。
「僕たちはまったくの素人。だからこそ自然には謙虚に向き合い、感謝の気持ちを常に忘れずに働きたい。
ブルネロではソルデーラを最も尊敬し、ラ・ビアンカーラのアンジョリーノやグルッポ・ヴィーニヴェーリのメンバーとも交流を持ち始めたために様々なことを“先輩”(本人の言葉)たちから学んでいるというマリーノ。ブルネロの本来あるべき本当の姿は、異邦人である彼らの方がはっきり見据えることができるのかもしれない。
ベルガモ出身のマリーノ&ルイーザ・コッレオーニ夫妻は、1989年に長年住むことを夢見てきたモンタルチーノに土地を購入、1993年に家も完成し住み始めたのだが、当初はブドウ栽培・ワイン生産を自ら行うことなど全く考えていなかった。1994年の9月終わり頃、敷地内の“森だと思っていた”所を散歩していたところ、栗の木のてっぺんにブドウが生っているのを見つけた。翌年その区画を綺麗にしてみると、900本程度が植わっていたであろう、小さな畑だったことが明らかになり、地元の農業関係の検査機関に調査を依頼すると、ブルネッロ用の古い畑だと判明、その場所に1.5ヘクタールの新しい畑を仕立てる許可をもらう。1997年にブドウを植え、2000年からワイン生産を開始する。
畑ではボルドー液のみを使用、セラーでも温度管理を行わず、野生酵母による醗酵、長期にわたるマセレーション、清澄もフィルタリングも行わず、ボトリング時に若干量の2酸化硫黄を添加するのみ。オルチャ ロッソは、モンタルチーノから25km離れたカスティリオーレ ドルチャ村にある、2002年に植えた1.5ヘクタールの畑のブドウから造られるワイン。開発(開墾)され尽くした感のあるモンタルチーノに比べると、自然豊かなこの村の畑には自然界の絶妙なバランスがいまだ存在するとマリーノは考え、ボルドー液さえも使わずブドウ栽培をし、醸造・ボトリングいかなる過程でも一切の2酸化硫黄を使用せずボトリングを行う。