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シャトー・イヴォンヌ
Chateau Yvonne シャトー・イヴォンヌ
現当主はマチュー。ブルグイユで代々葡萄栽培農家として続く家の長男。彼は2007年、シャトー・イヴォンヌを買い取ります。これを仲介したのがクロ・ルジャールの奥様、フランソワーズ・フコーでした。
フランソワーズは1997年から2007年までシャトー・イヴォンヌの栽培及び醸造を担当してきましたがオーナーと揉めてしまいマチューに引き継ぐことに決めたのでした。フランソワーズの功績は非常に大きいと言えます。イヴォンヌの畑は歴史的に重要な畑で、古くは教会の所有でした。歴史ある偉大な畑は大体教会の所有です。
一時、荒廃してしまった畑をフランソワーズがビオディナミを導入し、再生していきます。彼女が目指したのは商売としての復活ではなく、畑の能力の復活でしたので、収量は異常に少なく、出資者達は納得がいかずに断念してしまったのです。
しかし、10年間に及ぶフランソワーズの努力で畑は完全に本来の姿に戻りました。まさに、クロ・ルジャールの考え方と同じように、冬場の剪定から新芽が3つしか残さない超低収量が実践されているので収量は23〜25hl/haという異常な低さですがワインは素晴らしい!(輸入元案内より)
クロ・ルジャールの奥様フランソワ・フコーがワイン造りをしていたシャトー・イヴォンヌ。2007年からブルグイユの葡萄栽培家の家系に生れたマチューが引き継ぐことになります。当時はエノロジストを雇い、より完璧なワインを目指していましたが、マチュー曰く「分析、分析、また分析…。1メモリ違ったらダメなのか?そんなことより、ワインは楽しむもんだ。感情的なものだから、感情的に造ればいいと思って、感情的に辞めてもらった」自分の今までの経験と、直感に頼って自らワイン造りを始めます。畑では、除草剤(ソーミュールの75%は除草剤が使われています)や化学肥料は一切使いません。畑は健康そのもの。元々、状態の良い樹齢も高い畑なので、正直、文句のつけようもありません。
2016年は早い芽吹きの後に、冷気が入り、霜によって半分以上が死んでしまいましたが、その後のゆっくりとした気温上昇。そして、乾燥によって、樹齢が高く、根が地中深くまで伸びている彼等の畑は水分も適度に得て、最高の収穫となりました。霜害がある意味での収量制限を最初の段階でしてしまったので、葡萄樹の力は少ない葡萄に充分に使われたのです。
分析値は知りません。ただ、畑のパワーがワインにそのまま現れたかのような圧倒的存在感。シュナン・ブランでしかあり得ない厚みとふっくらした甘味の後に太く、一気に甘味から主役を奪い取るような酸とミネラルが追いかけてきます。2段階で口中が変化するまだまだ若く、もの凄いポテンンシャル。試飲で疲れるほどです。
そして、驚きが、彼等のソーミュール・シャンピニー。ソーミュールから僅か車で5分ですが、同じトゥフォ(白亜質)土壌でも年代が古く、黒っぽい火山由来の石が混じります。2015年のソーミュール・シャンピニーはフランとは思えない、ゆったりとした質感。完熟することが難しい地域において過去30年間で最高の完熟を得た年だそうです。
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