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バッケレート
Bacchereto バッケレート
Bacchereto バッケレート
カルミニャーノだけを造っている女性の造り手だという。
その場で一本空けた。
伝統的な造りでありつつ、個性もきっちり主張できている素晴らしいワインをまた見つけられた。
喜びいっぱいに日本に帰国しました。サンプルワインを一本トランクに忍ばせて…。
2005年の冬のことでした。ながかったなあ。ここまで。
それが今やっと、ご紹介できます。
ラベルも見てみてください!いいでしょ、いいでしょ?
バッケレートという名前の造り手です。
クラッシックで職人的で。この辺も全く媚がないですね。
Terre a Manoテッレ・ア・マーノとも書いてあります。
「手作りの大地」、とでも訳しましょうか。
<<サノヨーコの買付レポート、2008年初入荷時のコメントより>>
ニコラ・ジョリーに刺激を受けビオディナミに転向する造り手は多くいるし、ビオディナミが販促ツールのように扱われていることも多々ある。
ビオディナミの誠実なイメージは昔の話のような気もするが、こういうワインと出会ってしまうとビオディナミの力を信じたくなってしまう。
カルミニャーノに期待するもの以上にワインとしてのスケールの大きさを感じさせてくれる素晴らしいワインです。
カルミニャーノの街から西に3km、プラートにあるモンタルバーノの丘にファットリア・ディ・バッケレートは位置する。トスカーナらしい緩やかな丘に手つかずの自然が残っている。
所有面積はなんと150ヘクタール。
内、葡萄畑はたった8ヘクタールで60ヘクタールはオリーブ畑。そして90ヘクタールは森林という贅沢さ。1920年にベンチーニ家が購入していて現当主はロセッラ・ベンチーニさん。
彼女はニコラ・ジョリー氏の講演やイタリアの自然派ワインのグルプ“Triple A”に参加することで徐々にビオディナミに、無理のない自然なワイン造りに引かれていったと言う。
現在ではカルミニャーノ“テレ・ア・マーノ”とサッソカルロという白ワイン(イタリア国内のみの販売で極少量生産)。
更にヴィン・サントの3種類のワインにプラスして蜂蜜とこの地方の特産品である干しイチヂクも作っている。(アグリツーリズモも経営している) 畑では有機栽培が実践されていて、科学肥料はほとんど使用しない。(農薬はボルドー液のみ最小限に使用。もちろん殺虫剤や除草剤なども使わない。)
薬剤の代わりに緑肥・豆類を植え、ある程度育ったら浅く耕し、その枯れ草を畑に撒きっぱなしにすることによって豊かな土壌と強く生命力に溢れる葡萄樹をつくると共に、土壌からの過剰な水分蒸発を防ぎ、ここ何年かで深刻化している暑さによる旱魃からも守っている。収穫は全て手作業。
1房ごと1果実ごとに選別、醗酵はセメントタンクで葡萄果実に着く自然酵母のみでゆっくり醗酵させる。(一切の培養酵母の不使用)醗酵時は温度管理もしない。
自然に任せた醗酵過程はマロラクティック醗酵時に関しても、何も足さないし、何も引かない。勿論、醗酵時のSO2の添加もない。
アリエ産のトノー(350l)で18ヶ月熟成し、フィルターをかけずに瓶詰めする。
出来上がったワインはカルミニャーノとしては異例の凝縮感とゴツッとした大ぶりで強烈なタンニンに支配されている。サンジョヴェーゼらしい繊細な酸も感じられるが濃密な果実味とタンニンに隠れてしまう。
しかし、抜栓から2時間を経過すると徐々に、そのしなやかなボディと梅干のニュアンスや黒胡椒などのスパイス香、更に動物的な香も出てきて複雑味を感じさせてくれる。
余韻も非常に長く、人を引きつける。
ファットリア・アンブラの出し汁のようなしみじみとした主張しすぎない旨味とは正反対で力強く、存在感の強いカルミニャーノで一度飲むと忘れられない。
現在の考え方に基づいたワイン造りに転換したのは2002年から。
ロセッラ・ベンチーニさんによると、こうした自分たちの哲学変化が目に見えて現れたのはブドウの樹と従業員の健康だと言う。『葡萄樹はより強く、丈夫になってきた。従業員は薬剤にまみれて仕事をしなくてすむようになった。
これによって真の意味で嘘のない、身体に悪いものが何一つ入っていない健康的なワインを消費者に届けることができることを実感した。消費者にとって良いことを信じて続けていけば、いずれ自分達に何らかの形で戻ってくるだろう。』
バッケレートにおけるビオディナミはスタイルや売り文句ではなく健全で嘘のないワイン造りに欠かせない信念であり道しるべのようだ
<<以上輸入元資料より>>