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ラ・ペルディーダ
La Perdida ラ・ペルディーダ
スペイン語で「失われてしまった」を意とする【ラ・ペルディーダ】は生産者【ナチョ・コンザレス】がガリシア地方のヴァルデオラスで2012年から僅か300本のワイン作りからスタートしたクラフトワイナリー。
生物学博士としての前職を離れた際に祖母から猫の額ほどの「放棄された」畑をプレゼントして貰った事が発端となっています。ガリシアは北西部スペインの中で最大面積を誇るワイン生産地区ですが、それだけに傾斜の激しい畑では誰もブドウ作りをしなくなってしまった背景があります。
400年前のスペインではリベイロ、リベラサクラ、リアスバイシャスも含めたガリシア産のワインは人気絶頂の銘柄ばかり。いつしかワイン産業は巨大化し、大企業によって運営される様になった同地はテクノロジーに呑み込まれてしまいました。
傾斜がきつく生産性の低い畑は誰も見向きもしなくなったのです。故にナチョの畑は50年前からフルーツを実らせなくなった完全なる無農薬の「見棄てられた」土地。だからこそ健全で美しい果実が今文字通り実っている訳です。厳しく寒い冬と酷暑を迎える夏、そして四方を山に囲まれた彼の土地は常に多湿。
古樽とアンフォラをメインに仕立てるワインにはフロールが頻繁に発生しますが、彼はそれを土地の味として飲み込み、決して除去したりしません。菌も含めたヴァルテオラスの個性を大切にボトルの中へと閉じ込めてしまうのです。
ナチョの世界は唯一無二。ユニークで美味この上ない世界を楽しんで下さい。