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ヴィーノ・アンビズ
Vino Ambiz ヴィーノ・アンビズ
ファビオ・バルトロメイはイタリア生まれでスコットランド育ち。今はマドリードから程近いシェラ・デ・レドスにてワインを作っている才人です。彼とはバルセロナの街にあるワインバーBrutalで待ち合わせして会ったのが初めてだったんですが...兎に角その出会いは衝撃的でした。
頼りない髪の毛を過日の志村けんばりに後ろで結わえた彼が店に入って来た時は、その余りに見窄らしい様子で「一体どこのホームレスだ」と本気で思ってしまった程。話してみるとその言葉はハイトーンで、しかしながらとても落ち着いた口調で非常に心地よく人懐こい性格にぴったり。人を警戒させない親しみ易い野良猫みたいな彼にあっと言う間に引き込まれてしまいました。
持参してくれた数種のワインはどれもこれもが非常にナチュラル。聞いてみると結婚してから農地を手に入れた際にブドウ畑もあり、野菜も含めた全てを誰からも手解きを受けずにケアして来たとの事。ワイン作リも全て自分の感性だけで見よう見まねに始めた為、つい最近まで酸化防止剤の存在さえも知らなかったというとんでもない男だったのです。
ファビロ・バルトロメイに初めて会った時に交わした会話の中で、最も印象的だったやりとりがあります。「酸化防止剤はどれくらい使ってるの?」と言う私の質問に対する彼の答えが余りに衝撃的だったのです。
「そんな便利なものがあったなんて知らなかったよ」
「僕は何も添加していないけどテクノロジーってのは凄いんだねぇ」
とニコニコ顔なんです。兼ねてから念願だったブルータルでの食事とワインを楽しむ事を思わす忘れてしまう程のインパクトでした。
春に訪れた彼の小屋(100年以上前の醸造所で現在はシェア醸造所)で味わった新作はどれも強烈でした。地元で昔から愛されて来た土着品種に拘る彼の姿勢は一貫しておりましたが、何せ口から出て来る品種の名前がどれも初めて聞いたものばかり。シノニムを聞いても、作っている本人が「昔からこの名前で呼ばれているから僕にも分からないよ」としか言ってくれないし。まぁこれこそがFabioなのだなと納得はしたのですが、各品種に関してはリサーチを継続してみようと思います。(輸入元資料より抜粋)