赤・750ml
Garnacha Tintorera/Menciaを70/30
フルーツは全てハンドピックで素手による徐梗。 そして5日間コールドソークの後に36時間以上 掛けてゆっくりとプレス。プレス後は使い古し たフレンチオークとクルミの樽に移してゆっくりと熟成に入ります。面白いのはロゼと非常によく似たプロセスで、果皮や種子からのタンニ ンを過剰に抽出していない点にあるんですね。 しかしながら元来非常に濃密な「赤い」個性を 持ったブドウ品種をベースにしていますので、 熟したダークチェリーやレッドカラントの果実 味に溢れており実にチャーミングです。かつ余 韻が長く塩気さえ感じさせてくれます。適度な力強さとエレガンス、多くの要素を満たす、ジェネラスで満足度の高い仕上がりです。Cabernet Francのファンだったら確実に恋してしまうバッチですね。(輸入元資料より)
ラ・ペルディーダ/la Perdida
スペイン語で「失われてしまった」を意とするla Perdida【ラ ペルディーダ】は生 産者Nacho Gonzalez【ナチョ コンザレス】がGalicia【ガリシア】地方の Valdeorras【ヴァルデオラス】で2012から僅か300本のワイン作りからスタート したクラフトワイナリー。生物学博士としての前職を離れた際に祖母から猫の額ほどの「放棄された」畑をプレゼントして貰った事が発端となっています。ガリシアは北西部スペインの中で最大面積を誇るワイン生産地区ですが、それだけ に傾斜の激しい畑では誰もブドウ作りをしなくなってしまった背景があります。 400年前のスペインではRibeiro【リベイロ】やRibera Sacra【リベラサクラ】、 Rias Baixas【リアスバイシャス】も含めたGalicia産のワインは人気絶頂の銘柄ばかり。いつしかワイン産業は巨大化し、大企業によって運営される様になった同地 はテクノロジーに呑み込まれてしまいました。傾斜がきつく生産性の低い畑は誰も見向きもしなくなったのです。故にNachoの畑は50年前からフルーツを実らせなく なった完全なる無農薬の「見棄てられた土地」。だからこそ健全で美しい果実が今文字通り実っている訳です。
厳しく寒い冬と酷暑を迎える夏、そして四方を山に囲まれた彼の土地は常に多湿。 古樽とアンフォラをメインに仕立てるワインにはフロールが頻繁に発生しますが、 彼はそれを土地の味として飲み込み、決して除去したりしません。菌も含めたヴァルテオラスの個性を大切にボトルの中へと閉じ込めてしまいます。Nachoの世界は唯一無二であり、ユニーク。「スペインワイン」というカテゴリーワードを頻繁に口にする人には合わないでしょう。既成概念を完全に破壊してしまう味わいばかりですから。特に彼が一連のワインで使用する黒ブドウGarnacha Tintoreiraには要注意。Grenacheのシノニウムと勘違いしてしまいそうになりますが、DNAはAlicante Bouschetと全く同じ。タンテュリエ故に色調が濃いのですが、完成するワインは実に軽やかで繊細。見た目と味わいの差に混乱を齎す品種である為にパレットを通して味わいをしっかりと判断出来るテイスターである必要性を我々に突き付けて来ます。嗚呼何と刺激に満ちた作り手なんだろうかと思ってしまいます。(輸入元資料より)